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【本誌アーカイブ】世界の日本美術コレクター 第一回 レネ・バルサー(vol.19)

世界の日本美術コレクター 第一回 レネ・バルサー
聞き手=山口桂 文・構成=藤田博孝
2023年10月17日発行『ONBEAT vol.19』掲載

クリスティーズジャパンの協力のもと、海外に住む日本美術のビッグコレクターに話を聞く新連載企画。インタビュアーを務めるのはクリスティーズジャパンの代表取締役社長を務める山口桂。その第一回を飾るレネ・バルサー氏は、有名なテレビシリーズの脚本家、製作総指揮者として知られると同時に、美術愛好家として幅広いコレクションを持つ。その中でも世界随一の質と量を誇る川瀬巴水のコレクションについてレネ氏に聞く。

山口桂
1963年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。広告代理店勤務の後、1992年クリスティーズに入社し、日本・東洋美術のスペシャリストとして活動。19年間NY等で海外勤務し、2008年の伝運慶の仏像のセール、2017年藤田美術館コレクションセール、2019年伊藤若冲作品で有名なプライス・コレクション190点のプライベートセールなど、多くの実績を残す。クリスティーズジャパン代表取締役社長。国際浮世絵学会理事。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」などのテレビ出演、執筆、翻訳多数。近著として「死ぬまでに知っておきたい日本美術」(集英社新書)。

レネ・バルサー氏インタビュー

一巴水や日本の版画に興味を持ったきっかけを教えてください。

RB : まず、1921年に日本を訪れた祖父の影響があります。祖父が日本で撮った写真を持っていたんです。また、子供の頃に中国にも興味を持ちました。1980年代から1990年代にかけて、主に巴水の新版画を目にするようになり、特に冬の国カナダで育った私にとって、巴水の雪景色の版画はとても魅力的でした。そして版画を買う余裕ができたとき、私は巴水に集中して版画を集め始めました。第一に彼の版画が好きでしたし、さまざまなアーティストを集めるより、一人のアーティストに集中する方が良いコレクションを作れると考えました。さらに、妻のキャロラインがロサンゼルスでヴェロニカ・ミラーというディーラーを見つけてくれました。彼女は日本に幅広い人脈を持っていて、素晴らしい情報源となり、コレクションの鍵になりました。すべての要素がフレーム内に収まる巴水の構図はとてもタイトで、そんな彼のデザインが私は好きです。多くの巴水の作品を見ていると、彼の繊細さに気づくようになりました。巴水は風景や日本の理想像を表現する作家というイメージがありますが、私はそうは思いません。彼のデザインにはミステリーや隠された要素がたくさんあると感じます。それは巴水の私生活を反映しているように思います。

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