1. 作品販売

  2. プロデュース

  3. アート支援

  4. 地方創生

  1. 国内大型書店

  2. ミュージアムショップ

  3. 空港

  4. 豪華客船

  5. ホテル

  6. ライブラリー

  7. セインズベリー日本藝術研究所

  8. ジャパン・ソサエティー

2023年1月28日(土)~2月13日(月)まで、飛田会館にて「Study:大阪関西国際芸術祭 2023」を開催。

2025年に世界最大級のアートフェスティバル「大阪関西国際芸術祭」の開催を目指し、「アートとヒト」「アートと社会」の関係性や、アートの可能性を検証し学ぶ(Studyする)ためのプレイベントだ。

第2回となる今回は、関西に縁あるアーティストの展覧会をはじめ、国内外のギャラリーが出展し誰もが作品購入を楽しめるアートフェア、そしてアートの可能性を引き出すべくテーマ性を持ったカンファレンスの実施、さらにはレストランを会場に、期間限定で食とアートのコラボレーションを実現するアートダイニングなど、芸術祭会期の17日間、アートを『みる』『買う』『食す』『学ぶ』、多彩なプログラムを実施する。

飛田会館では、メディアアーティストの落合陽一が「デジタル飛田リサーチプロジェクト」を行い、作品を展示。

飛田新地エリアの建物のデジタルアーカイブの作成を通じて、地場の文化やその意匠上の構造について研究し、地域コミュニティとの共創を通じて作品へと昇華させる。
Studyと銘打たれた芸術祭において落合が興味を持ったのは、時代と共に変わっていくもの、変わらないもの、気付かないうちに消えていくもの、法的な境界線の変動などや万博などのナショナルイベントが街や建物や内装にどのような変化を与えるのかという疑問、そしてその変化によって「刻み込まれた痕跡」の可視化である。

例えば近年、特に東京2020オリンピックの際に当局の取締を皮切りに、街の性風俗文化が大きく変化したのは記憶に新しく、ストリップ劇場や性風俗店の摘発などが多く行われた。落合は街の治安の維持行為として当局の決定に理解は持てるものの、大衆「文化」の一部として語られたものが街から消失してしまうことに危惧を覚えている。

人や環境が変われば,蓄積された人類の痕跡はなくなってしまう。社会的通念・善悪・倫理・法解釈など多くの議論はあって然るべきだが、建物や内装など質量あるものが失われれば、議論することもできなくなってしまう。人なき飛田新地の街をデジタルで構築する三次元の空間をアーカイブする活動を通じて、地場の文化を理解し、この風景を基点としたデジタル作品を作り出したい。

「Study:大阪関西国際芸術祭」創設者・総合プロデューサー 鈴木大輔(代表取締役CEO)コメント
落合陽一さんは万博のプロデューサーでもありますが、あの年代で彼ほどあらゆる知識人たちと会って話をしてる人って多分いないと思うんですよね。彼は日本中でこの時代のことを一番よく知っている可能性がある人だなと思っています。

そこで落合さんには何か長期のリサーチプロジェクトをやりませんかとお声がけをしました。メディアアートというのは、ともすれば技術論で捉えられがちな側面もありますので、そこにアートとしての奥行を加えてもらいたいなと思ったんです。

それで去年の第1回目のときは、船場エクセルビルの会場で展示をしてもらいました。そこでは、デジタルからフィジカルへ、フィジカルからデジタルへと彼の作品が変換を繰り返すことで輪廻転生のようなものを表現してもらいました。

今回、落合さんにまた何かやりましょうと話をしたら、飛田新地(飛田遊郭)にすごく興味があると言うんですね。彼は大阪芸術大学の教員もやっていて、大芸の講義に行くときは、その界隈を散策したりするそうです。そこで、落合さんにもオンラインで参加してもらって、飛田新地の組合の総会で企画の説明をさせていただいたんです。すると組合の方々は驚くほど共感してくれて、ものすごく協力してくださったんです。飛田新地の組合はかなりしっかりした組織で、街並みも綺麗に統一されていますし、防災意識も高くて備蓄もされています。組合長さんが「我々は疑似家族みたいなものだ」と言っていましたが、互助会制度もあり、今回みんなで過去帳を作ったそうです。まるで一つの村かなと思うぐらいです。

一方、落合さんについて私は、テレビなどメディアに出てる人というイメージを持っていました。だから作品制作なども自分はコンセプトを決めるだけで、あとはスタッフにやらせているのかなと思ったら、意外にも、彼は組合の方々へのヒアリングや、リサーチ、撮影など全部自分でやっていました。今回落合さんは数日間にわたって飛田新地の街全体を3D撮影し、VRモデル化しました。真冬の寒い中で一晩中撮影をしたのですが、その際には組合の人たちが10人ぐらい夜通し付き合ってくれたり、展示会場に決まった飛田会館でも火を焚いたりして協力してくれました。そうやって撮影した3Dの映像を彼なりに解釈し、すばらしい映像作品に仕上げてくれました。

その作品は飛田会館の三階に展示されていますが、二階には飛田遊郭と飛田会館の歴史を垣間見るような落合さんの巨大な写真作品が展示されており、こちらも必見です。

 


 

開催概要
開催日:2023年1月28日(土)~2月13日(月)
時間:13:00〜17:00 ※最終入場は閉館30分前
住所:大阪府大阪市西成区山王3丁目1−13
アクセス:地下鉄御堂筋線/堺筋線 「動物園前」駅 2番出口より新開商店街を通り徒歩8分
JR / 地下鉄 御堂筋線/谷町線「天王寺」駅 14番出口より新開商店街を通り徒歩9分
共通パス:不要
※展示室までは階段のみとなります
※会場外および近隣地域の撮影はご遠慮ください
詳細はこちら
ONBEAT vol.11~vol.17では落合陽一の連載を掲載