高橋龍太郎の「ニッポン現代アートの価値」第十回 近藤亜樹 2024年4月19日発行『ONBEAT vol.20』掲載
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高橋龍太郎 撮影:Elena Tyutina
精神科医の現代アートコレクター、高橋龍太郎の収集したいわゆる“ 高橋龍太郎コレクション” は、 今や現代アート界の大物となった草間彌生、村上隆、奈良美智らの貴重な初期作品や、 後に代表作となった作品を多数含み、日本の現代アートを語る上で欠かせないものである。 卓越した慧眼を持つ高橋がそのコレクションの逸品を語る本企画の第10回は、近藤亜樹を紹介する。 「絵画は死んだ、おかしな言葉よね?」 2011年の暮にシュウゴアーツの佐谷周吾さんから、近藤亜樹という すごい作家があらわれて、来年サンフランシスコの片岡真実さんのキュ レーションによる日本の現代アートの企画展に、最年少者(当時22 ~ 23歳)として出品される予定だと聞かされた。しかも出品作も含めて今 ギャラリーで抱えている彼女の作品は全て購入されてしまうおそれがあ るとの連絡。年明けにはサンフランシスコに送ってしまうので是非年内 に見てほしいとのことだった。