杉本博司「江之浦奇譚」江之浦測候所

現代美術作家・杉本博司が設計した「小田原文化財団 江之浦測候所」が開館3周年を迎える10月9日、杉本による新刊『江之浦奇譚』が発売される。
コロナ禍のため、例年に比べ日本に長く滞在することになった現代美術家・杉本博司が、この期間に一気に書き下ろした。
構想から20年の歳月をかけて開館した同館の馴れ初めから現在までを、美しい図版と自作の和歌とともに、数々の因縁話を交え語る。
表紙には茶室「雨聴天」の腰張り写真をあしらった杉本の自装による贅沢な1冊となる。

▼書籍『江之浦奇譚』 (全296頁)概要
著者:杉本博司
発売日:10月9日(岩波書店より)
2,900円(税別)

日本にあっては新作能に「杉本文楽」、海の彼方、パリ・オペラ座ではバレエの演出、はたまた数寄に飽かせて普請道楽、骨董三昧。
作庭、料理、なんでもござれの百面相—さて杉本博司とは何者か。暗室を抜け出したこのアート写真の第一人者、「人類とアートの起源に立ち返る」場として目下、お江戸を発って二十里上方、相州小田原・江之浦山中に一大アート施設、江之浦測候所を制作中。
その馴れ初めから現在までを一気呵成に書き下ろした本書には、この壮大な作品に引き寄せられたモノたちが声低く物語る不思議な話が満ちている。
自作の和歌と文章、写真が渾然一体となった現代の奇書、日本を代表するアーティストの風狂の生涯。(カラー図版多数)

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