1. 作品販売

  2. プロデュース

  3. アート支援

  4. 地方創生

  1. 国内大型書店

  2. ミュージアムショップ

  3. 空港

  4. 豪華客船

  5. ホテル

  6. ライブラリー

  7. セインズベリー日本藝術研究所

  8. ジャパン・ソサエティー

名和晃平《PixCell-Deer#52》2018年、ミクストメディア、217.3 × 189.6 × 150 cm、写真:小山田邦哉

十和田市現代美術館と9月に十和田市に開館する(仮称)地域交流センターにて、 彫刻家 名和晃平の個展「生成する表皮」が開催される予定だ。

名和は、セル(細胞・粒)で世界を認識するという独自の概念を軸に、ガラスや液体などのさまざまな素材や技法を横断しながら、彫刻の新たなあり方を一貫して追求している。
素材の探求を通じて彫刻の概念を拡張してきた名和の活動の変遷を、大学院生時代のドローイングシリーズ「Esquisse」と代表作の「PixCell」、そして新作「White Code」を含む多様な作品シリーズから紹介される。

【展覧会に関して:名和晃平】
太古から変わらない現象に、新たなイメージを重ね合わせることで、現象への解釈は無限にひろげることができます。
例えば、「断続的な雨」という現象に「コード」という現代のイメージを重ねることで、その現象の意味を拡張するなどです。
本展が取り扱うのは、そうした日々の理解からこぼれ落ちたマージナルな情報領域であり、それを受け止める感覚と想像の拡張です。
展覧会タイトル「生成する表皮(英語:Generative Interface)」は、名和晃平の作品に通底する制作概念を表しています。
レンズ効果により視点の移動とともに表皮が映像的に姿を変える「PixCell」シリーズ、シリコーンオイルからグリッド状に泡が沸き立つ《Biomatrix (W)》。
刻々と変化する界面は視触覚を静かに刺激して、見るものの感性を鋭敏に研ぎ澄まします。
それは、情報化時代における知覚や認識のリアリティを背景に、物質と感性を介するインターフェースとしての「表皮」に焦点を当てています。

作家より美術館初公開の新作紹介

名和晃平「White Code」写真:表恒匡|Sandwich

White Code
秒速1センチ程でゆっくりと移動する支持体の上を、粘度を調整した絵の具が雫のようにしたたり落ちる「White Code」。
麻の荒い表面に触れた絵の具の粒は、そのボリュームを維持したまま、ときに広がり互いに結びついて不規則に変化します。
テレグラフの黎明期に使われたモールス符号や、モノクロ画面に流れるプログラムコードの雨を思わせるドット配列は、デジタル信号がアナログ装置によって出力されたかのようなマテリアルな質感を伴い、視触覚がつなぐ情報と意味のはざまにその存在を見出していきます。

名和晃平《Biomatrix》2018年、ミクストメディア、サイズ可変、提供:SCAI THE BATHHOUSE、写真:表恒匡|Sandwich

Biomatrix (W)
真珠のような輝きと高い粘度を持つシリコーンオイルの界面に、気泡(セル)がグリッド状につぎつぎと沸き起こる《Biomatrix (W)》。
表面張力いっぱいに張り詰めた透明な気泡がゆっくりとはじけ、その想像を裏切る速度の遅延が、視覚を麻痺させるような感覚を引き起こします。気泡のひとつひとつは、運動が引き起こす現象の単位であるとともに、皮膜をつくる細胞の要素にたとえられます。
同様に、刻々と表情を変える液体素材の界面は、視覚情報を増幅するインターフェイスとして捉えられることができるでしょう。

名和晃平《Dot Array – Black #239》2022年、UVプリント、紙、アクリル、木製パネル 56 × 100 cm、提供:Gallery Nomart、撮影:加藤成文

【(仮称)地域交流センター 】
本展の作品は、美術館の敷地内だけではなく、十和田市のまちなかに9 月に開館する(仮称)地域交流センターでも展示されます。
こちらでは、名和晃平の版画作品「Array – Black」シリーズの《Dot》や《Line》の平面作品を展示予定です。

名和晃平《PixCell_Saturation#4》2011年、ミクストメディア、サイズ可変、提供:SCAI THE BATHHOUSE、写真:豊永政史 | Sandwich

名和晃平《Untitled》2000年、鉛筆、水彩インク、紙、44.5 × 35.2 × 2.8 cm、提供:Gallery Nomart、写真:表恒匡|Sandwich

名和 晃平(なわ・こうへい)
彫刻家。Sandwich Inc.代表。京都芸術大学教授。1975 年生まれ。京都を拠点に活動。
2003 年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。2009 年「Sandwich」を創設。
名和は、感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着目し、セル(細胞・粒)という概念を機軸として、2002 年に情報化時代を象徴する「PixCell」を発表。
生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティング「Direction」やシリコーンオイルが空間に降り注ぐ「Force」、液面に現れる泡とグリッドの「Biomatrix」、そして泡そのものが巨大なボリュームに成長する「Foam」など、彫刻の
定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性がひらかれてくるような知覚体験を生み出してきた。
近年では、アートパビリオン「洸庭」など、建築のプロジェクトも手がける。2015 年以降、ベルギーの振付家/ダンサーのダミアン・ジャレとの協働によるパフォーマンス作品「VESSEL」を国内外で公演中。
2018年にフランス・ルーヴル美術館 ピラミッド内にて彫刻作品《Throne》を特別展示。

開催概要

【十和田市現代美術館】
開催日:
2022年6月18日(土)~11月20日(日)
時間:9:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
住所:青森県十和田市西二番町10-9
観覧料:1800円(常設展込み)、高校生以下無料

詳細はこちら


【(仮称)地域交流センター】
開催日:
2022年10月1日(土)~11月20日(日) ※予定
時間:9:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで  ※予定
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)※美術館の休館日に準ずる
観覧料:無料

詳細はこちら

※会期中にパブリックプログラムを予定しており、詳細は後日発表。
※新型コロナウイルス感染症の影響による日程や実施内容の変更の場合あり。

【 パブリック・プログラム 】
アーティスト・トーク
開催日:2022年6月18日(土)
時間:13:00~14:00
会場:十和田市現代美術館 Cube カフェ
料金:無料 ※要企画展チケット
登壇者:名和晃平

学芸員によるギャラリートーク
開催日:2022年6月25日(土)/ 8月7日(日)
時間:11:00~12:00
会場:十和田市現代美術館 企画展示室
料金:無料 ※要企画展チケット

『ONBEAT vol.14』では名和晃平を大特集!

2011年に、それまでの活動を総括する個展「SYNTHESIS」を東京都現代美術館で開催した彫刻家・名和晃平

本特集では、そんな名和と国内外におけるさまざまなアートプロジェクトでコラボレーションしてきたキュレーターの長谷川祐子を聞き手に、「SYNTHESIS」以降、現在までの10年間の活動について、ロングインタビューを収録。

現代人の知覚意識を表現する“マテリアル使いのマジシャン”名和晃平の数々の代表作品とともに、その創作の秘密に迫る。