1. 作品販売

  2. プロデュース

  3. アート支援

  4. 地方創生

  1. 国内大型書店

  2. ミュージアムショップ

  3. 空港

  4. 豪華客船

  5. ホテル

  6. ライブラリー

  7. セインズベリー日本藝術研究所

  8. ジャパン・ソサエティー

Part1はこちら

チームラボボーダレスが麻布台ヒルズに!

麻布台ヒルズは11月24日(金)に開業 撮影:チバヒデトシ

虎ノ門ヒルズに隣接する『麻布台ヒルズ』にもミュージアムとギャラリーがオープンします。隣接と書きましたが、ほぼ隣のような位置づけで、東京メトロ虎ノ門ヒルズ駅から一駅の神谷町駅から直結。徒歩での移動でも10分ほどという近さです。

「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」©チームラボ

《Untitled》©チームラボ

麻布台ヒルズには、あのチームラボボーダレスがお台場から移転開業します。正式名称は『森ビル デジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス』。開業は少し先の2024年1月を予定しています。施設はガーデンプラザB B1階に位置しており、施設面積は約7,000㎡(約2,120坪)。エプソンが協力するプロジェクター約560台、コンピューター約610台が “境界のない1つの世界” を創り出します。

「地図のないミュージアム」というコンセプトはそのままですが、大きく進化した作品群によって、さらなる発展を実現します。詳細の発表はこれからとなりますが、そこにはお馴染みの作品に加え、新作や日本未発表作品も多数加わります。

チームラボボーダレスは国内からの来館者はもちろん、インバウンドの来訪者にとっても、待たれている施設と言えます。お台場の施設は驚くべき実績を残しており、年間来館者数230万人、来館者の訪日外国人割合は約50%以上、そのうち約50%が当館を目的に東京を訪れたというデータがあり、東京に訪れる多くの旅行者が麻布台ヒルズにやってくることは容易の想像でき、麻布台ヒルズが東京観光の台風の目になりそうです。

麻布台ヒルズギャラリーのオープニングはオラファー・エリアソン

麻布台ヒルズギャラリーの展示イメージ

チームラボボーダレスと同じくガーデンプラザA B1階〜MB階には、施設面積が約2,300㎡(約700坪)、展示面積が約700㎡(約210坪)という大規模な施設となる『麻布台ヒルズギャラリー』が11月24日(金)にオープンします。美術館仕様の施設・設備を備えており、アート、ファッション、エンターテイメントなど、多様なジャンルの文化を発信します。

「麻布台ヒルズギャラリー」の関連施設として、アート鑑賞の前後に立ち寄れるカフェおよびスペースを併設しており、カフェは展覧会やイベントとコラボレーションした特別なカフェとして営業します。また、神谷町駅前のカウンターではテイクアウトのドリンクを提供します。

オラファー・エリアソン《蛍の生物圏(マグマの流星)》2023年 撮影:Jens Ziehe ©2023 Olafur Eliasson

「麻布台ヒルズギャラリー」では、開館記念展『オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』が11月24日(金)〜2024年3月31日(日)を会期として開催されます。オラファー・エリアソンは、国立新美術館で開催中(10月2日まで)の「テート美術館展 光」において大型インスタレーション 《星くずの素粒子》が話題を集めている、アイスランド系デンマーク人作家。

世界との関わり方に疑問を投げかけ、再考をうながす作品で知られ、近年は気候変動などの社会的課題への積極的な取り組みでも世界的に注目されています。ともすれば世界との関わりにおいて相反する課題を持った都市開発において、Green & Wellnessを指向する麻布台ヒルズにとって、ふさわしい作家の登場と言えます。

さらに目玉が! ペース東京は2024年春オープン

麻布台ヒルズにはアートラバーにとって、もうひとつの目玉が用意されています。ニューヨークを本拠地とする国際的なメガギャラリー「Pace Gallery(ペース・ギャラリー)」による『Pace Tokyo(ペース東京)』が2024年春にオープンします。

ペース東京は、低層部に3階建て、約5,500平方フィート(約510㎡)の規模を持つギャラリーで、設計を担当したのは藤本壮介。1階と2階に分かれた展示スペースに加え、3階には屋外彫刻スペースとプライベートテラスが設けられ、ヘザウィックスタジオが設計したなだらかな丘をイメージさせる建物に統合されたデザインとなるようです。また、オープニングの展示プログラムなど詳細には近々発表される予定です。

Pace Galleryは、ローレン・パウエル・ジョブズ(故スティーブ・ジョブズ夫人)が代表を務める社会活動団体「Emerson Collective(エマーソン・コレクティブ)」を創立パートナーとして、体験型アートに特化した事業「Superblue」を立ち上げ、2021年に米国フロリダ州マイアミにアートセンター「Superblue Maiami」をオープンして話題を集めた。日本においてもチームラボとコラボした「Superblue Kyoto」が先行して発表されています。

都市に出現する数々のパブリックアート

虎ノ門ヒルズ森タワーのオーバル広場からジャウメ・プレンサ《ルーツ》の背後に聳える虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 撮影:チバヒデトシ

ヒルズで出会える忘れてはならないアートがパブリックアートです。六本木ヒルズには待ち合わせ場所として多くの人の認知を得ている通称スパイダー。ルイーズ・ブルジョワの《ママン》があり、ふたつのヒルズにも来街者の誰もが鑑賞できるパブリックアートがあちこちに設置されます。

虎ノ門ヒルズ森タワーにはすでにおなじみとなったジャウメ・プレンサによる《ルーツ》が設置されていますが、さらにレオ・ヴィラリール、ラリー・ベル、大庭大介、N・S・ハルシャの4作家による作品が加わります。

レオ・ビラリール|Leo Villareal《Firmament (Mori)》2023年

ラリー・ベル|Larry Bell《Pinky》2022年

大庭大介|Oba Daisuke《M》 2022年

N・S・ハルシャ|N.S. Harsha《マター》2014年

また、麻布台ヒルズには森JPタワーのエントランスエリアにオラファー・エリアソンの《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》が設置され、緑豊かな中央広場には奈良美智の《東京の森の子》が覆いを脱ぐのを待っています。この他に曽根裕の《石器時代最後の夜》、ジャン・ワン(中国)の《Artificial Rock. No.109》が展示されます。

森JPタワーのロビーにはオラファー・エリアソンによるパブリックアートが 撮影協力:小橋めぐみ 撮影:チバヒデトシ

オラファー・エリアソン(デンマーク)《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》2023年 森JPタワー 撮影:チバヒデトシ

 

中央広場に設置されているのは誰の作品? 撮影:チバヒデトシ

©DBOX for Mori Building Co., Ltd. – Azabudai Hills 奈良美智《東京の森の子》 2023年

奈良美智(日本)《東京の森の子》2023 年 中央広場(3点) 参考作品:奈良美智 《森の子》2017年 展示風景:N’s YARD(栃木) 撮影:森本美絵

 

曽根裕(日本)《石器時代最後の夜》2017/2023年 参考作品:曽根裕《Wood Log (long version)》2017

ジャン・ワン(中国)《Artificial Rock. No.109》2015年 参考画像撮影:木奥惠三 Courtesy:茨城県北芸術祭KENPOKU ART

ふたつのヒルズは建物そのものがアート

実はヒルズの中に入る前からアート鑑賞ははじまっています。

ステーションタワー外観 ©The Boundary

虎ノ門に聳える高層ビル群。左から森タワー、レジデンシャルタワー、ステーションタワー 撮影:チバヒデトシ

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの設計を手掛けたのは国際的建築設計集団 OMA(Office for Metropolitan Architecture)のパートナーおよびニューヨーク事務所代表を務める重松象平。OMAとしては東京初となる大規模建築プロジェクトです。重松は大きな話題を集めた「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」展の会場構成を手掛けています。

飯倉片町あたりから麻布台ヒルズ森JPタワーを見上げる 撮影:チバヒデトシ

高さ日本一となった330mの麻布台ヒルズ森JPタワー52F展望フロア 撮影:チバヒデトシ

52F展望フロアから東京タワーを望む。見下ろしているようにも見える 撮影:チバヒデトシ

52F展望フロアから見た六本木ヒルズ 撮影:チバヒデトシ

麻布台ヒルズは世界の建築のショーケースとなっています。麻布台ヒルズ森JPタワーをはじめ3棟の超高層タワーの外観デザインを手掛けたのは、世界各国でランドマークとなる超高層タワーを手掛けてきた、故シーザー・ペリとフレッド・W・クラークによるPC&P(ペリ・クラーク・アンド・パートナーズ)が担当しました。

ヘザウィック・スタジオが手掛けた山と谷を組み合わせたような景観が麻布台ヒルズの大きな特徴と言える ©DBOX for Mori Building Co., Ltd. – Azabudai Hills

また、山と谷が連続する麻布台の土地の記憶を建築に写し取った低層部の建築とランドスケープを手掛けたのは、先ごろ六本木ヒルズの東京シティビューで「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」が行われたイギリスのトーマス・ヘザウィックがデザインしました。この他にも、森JPタワーの商業空間デザインに藤本壮介、小坂竜といった実に多種多彩な世界のクリエイターが参加しています。

文・写真 / チバ ヒデトシ