1. 作品販売

  2. プロデュース

  3. アート支援

  4. 地方創生

  1. 国内大型書店・ミュージアムショップ

  2. 世界各国の書店

  3. 空港

  4. 豪華客船

  5. ホテル

  6. ライブラリー

  7. セインズベリー日本藝術研究所

  8. ジャパン・ソサエティー

中央:The glitch 2021年 樟、漆、岩絵具 210.0×200.0×120.0cm 周り:glitch-1〜12 2021年 ABSレジン、銅塗料 95.0×50.0×45.0cm

2021年11月18日(木)~2021年12月10日(金)DUB GALLERY AKIHABARAにて彫刻家・淺野健一の個展「phantázō」が開催される。

淺野健一は「憑依による一体化」をテーマに、きわめて現代的な作品を制作している。その彫刻作品は、史上最年少で「円空賞」を受賞した淺野の彫刻家としての確固たる技術と、彼のバックボーンであるサイバーパンク的世界観、超人的な力への憧憬、日本の伝統文化やサブカルチャーといった要素のミクスチャーから生まれる。

5年ぶりに開催される本個展では「デジタルスカルプティング」をベースに制作した新作を発表。glitch(コンピュータのバグ)を可視化した、これまで体験したことのないリアルとバーチャルの境界線を彷徨う空間となるだろう。

また会場では、新作と旧作が登場するゲームも体験できる。

ゲーム映像作品(映像クリエイター舟橋尚仁氏とのコラボレーション作品) Phantom 2021年

淺野健一よりメッセージ

シミュレーション仮説というものがある。

この世界は高度に発達した文明によって作られたシミュレーションでバーチャルな世界なのではないか、という仮説。私も常々、今のこの肉体は借りてるだけという感覚になる時がある。この仮説に基づくなら、人間が想像してきたものは全てただの情報に過ぎないことになり、宗教が語ってきた天国や地獄や、神話が語ってきた神が住む世界、鬼が住む世界、そしてネット世界、バーチャル空間も全て同一線上に語れることになる。ならば民話や神話に語られる夢と現を行き交うような話は、シミュレートのバグによって生じたものではないのか。人の進化の一つの形として、機械やコンピュータとの融合がSFや都市伝説で語られ始めている。現実世界でサイボーグとして、あるいはサイバー空間でデータとして永遠に生きるのか、そんな世界でもやはり何かを拝んで救いを求めたくなる時もあるのだろうか。そして形が変わっても永遠に生き続けることは、人にとって幸せなのか不幸なのか、天国なのか地獄なのかの2極性を表現する。

本個展では科学やテクノロジーとは対極に位置する宗教の、シンボルである偶像に3Dモデリングによるバグを起こした形を創造した。これは光背が如来の頭にめり込み、形の表面(ポリゴン)が壊れて体積がない状態。エッシャーの絵のように本来はPCの画面上でしか存在できない形である。PC上でしか存在できない形をリアルに目の当たりにすることによって夢と現の境界線を曖昧にしひいては、今この現実を生きているか?というメッセージを問いかける。個展タイトルの「phantazo」は古典ギリシャ語で「可視化する」の意。本展ではglitch(コンピュータのバグ)を可視化した。

展示構成

入口には《MONSTER 風神雷神》が並ぶ。

風神雷神の間を抜けると、中央に《The glitch》、またそれを囲む12体の像《glitch-1〜12》が並んでいる。かつて哲学者のニック・ボスとロムは「人類が生活しているこの世界は、すべてシュミレーテッドリアリティだ」という「シュミレーション仮説」を提唱したが、今回の個展のコンセプトは、その仮説と共通する認識をベースとして「人間が想像してきた天国や地獄、霊界などの異世界は、すべてシュミレーテッドリアリティのバグである」と仮定した世界観だ。中央に置かれた《The glitch》はテクノロジーと対極にある宗教の偶像を模したものになっている。

12体の像は「狐の窓」を利用して何かを覗いているかのようだ。「狐の窓」とは決められた形に指を組み、その中から覗くと違うものが見えるといわれているまじないの一種で、人間に化けた妖怪や不思議なものを見抜くことができるとも言われている。

これら13体によって鑑賞者は「鑑賞」されているかのような錯覚に陥り、鑑賞者はだんだんと自分がシュミレーションなのか本物なのか見定められているような気がしてくる。

会場の奥には“零壱”と彫られた作品。0と1の2進法でできているデジタルの世界がバグっている状況を黒塗りで表しているという。

さらに会場の入口の反対側ではこれらの作品がキャラクターとして出てくる3Dゲーム作品を体験できる。淺野健一と映像クリエイター舟橋尚仁のコラボレーションによる作品世界をぜひ体験してほしい。

淺野健一プロフィール

1981年愛知県生まれ。
2006年愛知県立芸術大学美術研究科彫刻専攻修了。
2006年「淺野健一展」(表参道ヒルズGallery Kowa / 東京)、2014年天明屋尚プロデュース「剛の者」(hpgrp Gallery Tokyo)、2016年「monstrum」(hpgrp Gallery Tokyo)、2021年「Kenichi Asano×Hikeshi Spirit」(Hikeshi Spirit / 東京)など個展多数。グループ展やアートフェアに多数参加。
2010年NHKデジタル・スタジアム ヤノベケンジ ベストセレクション、2016年円空大賞展 円空賞 最年少受賞。

開催概要

開催日:2021年11月18日(木)~2021年12月10日(金)
時間:15:oo~20:00(平日)、12:00~20:00(土曜日)
休館日:日曜、祝日
観覧料: 500円(税込)※特典付
会場:東京都千代田区佐久間町1-14第2AZUMAビル2階216号室 DUB GALLERY AKIHABARA

詳細はこちら

※本記事は11月19日に追記しました。

『ONBEAT vol.15』では淺野健一インタビューを8頁にわたって掲載。会場にも設置いただいています。