2025年大阪・関西万博の象徴《大屋根リング》の設計者、藤本壮介初の大規模個展が終了間近。今週末11月9日(日)まで!
文=ONBEAT編集部

森美術館公式HPより
藤本壮介(1971年、北海道生まれ)は東京とパリ、深圳に設計事務所を構え、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地でさまざまなプロジェクトを展開しています。
2000年の《青森県立美術館設計競技案》で注目を集めたのち、《武蔵野美術大学美術館・図書館》(2010年、東京)、《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》(ロンドン)、近年では集合住宅《ラルブル・ブラン(白い樹)》(2019年、フランス、モンペリエ)や音楽複合施設《ハンガリー音楽の家》(2021年、ブダペスト)などのプロジェクトを次々と完成させ、高い評価を得てきました。
現在開催中の2025年大阪・関西万博では会場デザインプロデューサーを務めるなど、いま、最も注目される日本の建築家の一人です。

《ラルブル・ブラン(白い樹)》 2019年 フランス、モンペリエ 撮影:イワン・バーン

《ハンガリー音楽の家》(外観) 2021年 ブダペスト 撮影:イワン・バーン

「2025年大阪・関西万博 大屋根リング」 2025年 提供:2025年日本国際博覧会協会
本展は、藤本にとって初の大規模個展です。活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで8セクション構成で網羅的に紹介し、約30年にわたる歩みや建築的特徴、思想を概観します。
展示には、模型や設計図面、竣工写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型、モックアップ(試作モデル)なども含まれ、建築に携わる人だけでなく、だれもが藤本建築のエッセンスを体感できる、現代美術館ならではの展覧会です。
さらに、藤本による未来の都市像の提案を通し、建築の存在意義や可能性についての考察も試みます。

《思考の森》 2025年 展示風景:「藤本壮介の建築:原初・未来・森」森美術館(東京)2025年 撮影:八代哲弥

セクション5:開かれた円環 展示風景:「藤本壮介の建築:原初・未来・森」森美術館(東京) 2025年 撮影:八代哲弥 画像提供:森美術館

セクション8:未来の森 原初の森—共鳴都市 2025 展示風景:「藤本壮介の建築:原初・未来・森」森美術館(東京) 2025年 撮影:八代哲弥 画像提供:森美術館
環境への配慮、人と人との変わりゆく関係性、分断されたコミュニティをつなぐ機能、テクノロジーの発展に影響される生活など、今日、建築や都市には従来以上の役割を担うことが求められています。
そのような時代に、建築は私たちの暮らしをどう変えうるのか。藤本の実践をとおして、みなさんとともに考えます。

藤本壮介 撮影:田山達之 画像提供:森美術館
藤本壮介 メッセージ
今回の個展は、いわゆる回顧展というより、 現在進行形で、むしろ未来を向いているものです。
これまでの集大成であると同時に、これからの方向性を模索する展覧会になると感じています。
建築家とは、人と人、人と自然の関係を紡ぐ 「場」を作る仕事でもあり、それは私にとっては自然と人工が溶け合う 「未来の森」 のような場所だといえるかもしれません。
さまざまな価値観がバラバラであることの良さと寂しさが行き交うこの時代に、そこに豊かな「つながり」を作り出せないかと模索しています。
「こんな建物や街で暮らしたら、 世界はどう見えてくるのだろう」 とみなさんの想像と希望が膨らみ、 未来をポジティブに考えるきっかけとなれば嬉しいです。
藤本壮介 略歴
1971年北海道生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介建築設計事務所を設立。2014年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞《ラルブル・ブラン(白い樹)》に続き、2015、2017、2018年にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。国内では、「2025年大阪・関西万博」の会場デザインプロデューサーに就任。2024年には《仙台市(仮称)国際センター駅北地区複合施設》(2031年竣工予定、宮城)の基本設計者に選定される。主なプロジェクトに、《House N》(2008年、大分)、《武蔵野美術大学美術館・図書館》(2010年、東京)、《House NA》(2011年、東京)、《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》(ロンドン)、《ラルブル・ブラン(白い樹)》(2019年、フランス、モンペリエ)、《白井屋ホテル》(2020年、群馬)、《マルホンまきあーとテラス(石巻複合文化施設)》(2021年、宮城)、《ハンガリー音楽の家》(2021年、ブダペスト)など。
開催日時・会場
会期:2025.7.2(水)~ 11.9(日) 会期中無休
開館時間:10:00~22:00 ※火曜日のみ17:00まで ※ただし、8月27日(水)は17:00まで、9月23日(火)は22:00まで ※最終入館は閉館時間の30分前まで
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
料金:※()=オンラインチケットの料金 ※日時指定枠に空きがある場合は、当日、窓口にてチケットをご購入いただけます。
[平日]
一般 2,300円(2,100円)
学生(高校・大学生)1,400円(1,300円)
中学生以下 無料
シニア(65歳以上)2,000円(1,800円)
[土・日・休日]
一般 2,500円(2,300円)
学生(高校・大学生)1,500円(1,400円)
中学生以下 無料
シニア(65歳以上)2,200円(2,000円)
※本展は、事前予約制(日時指定券)を導入しています。専用オンラインサイトから「日時指定券」をご購入ください。
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
※本展のチケットで、同時開催プログラムもご鑑賞いただけます。
※表示料金は消費税込。
オンラインチケット販売サイト:森美術館オンラインチケット、アソビュー!、Klook
お問い合わせ
050-5541-8600(ハローダイヤル)
公演・作品について藤本壮介の建築:原初・未来・森
主催 森美術館
助成 文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
公益財団法人石川文化振興財団
独立行政法人日本芸術文化振興会 文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業) 公益財団法人石川文化振興財団
協賛 株式会社大林組
株式会社ジンズホールディングス
鹿島建設株式会社
株式会社きんでん
NOT A HOTEL株式会社
SANEI株式会社
清水建設株式会社
住友林業株式会社
ルイナール
株式会社竹中工務店
トヨタ自動車株式会社
サンユー建設株式会社
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
アラップ
フジテック株式会社
前田建設工業株式会社
三機工業株式会社
株式会社大林組
株式会社ジンズホールディングス 鹿島建設株式会社
株式会社きんでん NOT A HOTEL株式会社
SANEI株式会社 清水建設株式会社
住友林業株式会社 ルイナール
企画 近藤健一(森美術館シニア・キュレーター)
椿 玲子(森美術館キュレーター)
コラボレーター 幅 允孝(ブックディレクター、有限会社バッハ代表)
倉方俊輔(建築史家、大阪公立大学教授)
宮田裕章(データサイエンティスト、慶應義塾大学教授)