60年以上の創作活動に迫る大回顧展

「田名網敬一 記憶の冒険」

文=ONBEAT編集部/撮影=藤田紘那

会場風景

弊誌最新号『ONBEAT vol.20』でも表紙を飾り、巻頭の特集記事で現在までに影響を及ぼしている幼少期の経験やこれまでの活動の軌跡を語った田名網敬一の大回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」がついに国立新美術館にて始まった。

今回の展覧会では、幼少期に体験した戦争とその後に触れたアメリカ大衆文化から色濃く影響を受け、これまでに色彩豊かでエキセントリックな作品をの数々を生みだしてきた田名網敬一の60年以上にも及ぶ活動が、「記憶」というテーマのもとに改めて紐解かれている。

会場風景

みどころ

①日本の戦後文化史と密接に結びついた作品
ウォーホルから影響を受けて制作した「ORDER MADE!!」シリーズ(1965年)や、米誌『Avant Garde』が主催したベトナム反戦ポスターコンテストに入選した「NO MORE WAR」シリーズ(1967年)、テレビ番組『11PM』のために制作されたコラージュの手法を用いたアニメーション《サヨナラ・マリリン・モンロー》(1971年)など、戦後日本で展開されたカウンターカルチャーを物語る作品の数々が出品される。

会場風景 「ORDER MADE!!」シリーズ(1965年)

 

②増幅を続ける「記憶」
幼少期に体験した戦争や大病の経験をきっかけとして、「人間は自らの記憶を無意識のうちに作り変えながら生きている」という考えのもと、自身の脳内で増幅される「記憶」を主題に創作活動を続ける田名網。本展では田名網が70年代から断片的に記録してきた夢日記やドローイング、関連インスタレーションなども展示している。

会場風景 《記憶の修築》NANZUKA、東京、2020年

③変幻自在なコラボレーション
長いキャリアを通して多種多様なクライアントワークやコラボレーションを行ってきた田名網は、Mary Quant、adidas といったファッションブランドや八代亜紀、RADWIMPSなどのミュージシャンとの協働の他、ウルトラマンなどのキャラクターや赤塚不二夫とのコラボレーション作品も制作している。デザイナーとしてコラボレーションへの意識を強く持ち、そこから生まれる化学反応から新たな作品を作り出していく仕事面にも注目している。

会場風景

開催概要

会期:2024年8月7日(水)- 11月11日(月)
休館日:毎週火曜日
時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2

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会場風景

会場風景 1. NO MORE WAR エリア

会場風景 1. NO MORE WAR エリア

会場風景 2. 虚像未来図鑑 エリア

会場風景 2. 虚像未来図鑑 エリア

会場風景 3. アニメーション エリア

会場風景 3. アニメーション エリア

 

会場風景 3. アニメーション エリア

会場風景 4. 人工の楽園 エリア

会場風景 4. 人工の楽園 エリア

会場風景 4. 人工の楽園 エリア

会場風景 4. 人工の楽園 エリア

会場風景 5. 記憶をたどる旅 エリア

会場風景 5. 記憶をたどる旅 エリア

会場風景 5. 記憶をたどる旅 エリア

会場風景 6. エクスペリメンタル・フィルム エリア

会場風景 7. アルチンボルドの迷宮 エリア

会場風景 7. アルチンボルドの迷宮 エリア

会場風景 7. アルチンボルドの迷宮 エリア

会場風景 7. アルチンボルドの迷宮 エリア

会場風景 8. 記憶の修築 エリア

会場風景 8. 記憶の修築 エリア

会場風景 9. ピカソの悦楽 エリア

会場風景 9. ピカソの悦楽 エリア

会場風景 9. ピカソの悦楽 エリア

会場風景 10. 藐の札 エリア

会場風景 10. 藐の札 エリア

会場風景 10. 藐の札 エリア

会場風景 10. 藐の札 エリア

会場風景 10. 藐の札 エリア

会場風景 10. 藐の札 エリア

会場風景 11. 田名網敬一×赤塚不二夫 エリア

会場風景 11. 田名網敬一×赤塚不二夫 エリア

会場風景 11. 田名網敬一×赤塚不二夫 エリア

会場風景 12. 田名網キャビネット エリア

会場風景 12. 田名網キャビネット エリア

会場風景 12. 田名網キャビネット エリア

会場風景 12. 田名網キャビネット エリア