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2024年4月13日(土)~2024年5月12日(日)まで、TIME’Sにて「KYOTOGRAPHIE Team Photographers’ Exhibition」が開催中!

KG+は、これからの活躍が期待されるアーティストやキュレーターの発掘と支援を目的に2013年よりスタートした、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭のサテライトイベントだ。日本最大級の国際写真祭と連動して、国内外のアーティスト、キュレーター、ギャラリスト、パブリッシャーなどに出会いの場と国際的な情報発信の機会を提供する。

KG+SELECTはKG+のアワード部門として2019年に始まった公募型のコンペティション。世界中から集まったエントリーの中から、審査員の選考により選ばれた10名のアーティストが、条件を揃えた会場を与えられ、製作費の支援を受け、1ヶ月にわたり展覧会を開催する。そして、国際的に活躍する審査員が実際の展覧会を審査し、KG+SELECT Awardグランプリを選出する。グランプリに選出されたアーティストは、奨励金を受け、翌年のKYOTOGRAPHIEの公式プログラムにて展覧会を開催。さまざまな媒体やメディアからも注目されるKG+SELECT Awardは、KYOTOGRAPHIEのステップアップを経て、さらなる飛躍を可能にする展示型アワードだ。

2015年に始まったKG+全参加アーティストの中から翌年のKYOTOGRAPHIEの出展アーティストを1名選出するKG+ Awardの時から数えると、今年のKG+SELECT Award 2024のグランプリで記念すべき10回目になる。

KYOTOGRAPHIEは、クリエイティブな人たちによって生み出されるコラボレーションの力を証明している。クリエーターらによって立ち上げられたKYOTOGRAPHIEがまとう活気や成功は、これまでの歩みを形作ってきた多様なコミュニティによるものといえるだろう。

本展では、このつながりを称え、過去12年間にわたって写真祭の歩みの一部を担ってきた写真家たちの情熱とビジョンを紹介する。
KYOTOGRAPHIEは写真家らのこの強い精神性によって、写真メディアの活気あるプラットフォームとなることができるのだ。

本展覧会に展示されている作品は、KYOTOGRAPHIEの精神を体現している。すなわちそれは、私たちを目に見えないものへの探求へと駆り出し、写真が人をつなぐ力を持つということを思い出させてくれる。

荒川幸祐 / Kosuke Arakawa

荒川は、自身を強く突き動かすものが、遠く離れたブラジルの地バイーアにあるのだと、今気づくことができた。初めてブラジルの地に降り立ってから20年の月日が経っていた。そこでは、強い光と影、大地と空、色と匂い、音とリズム、汗と魂がひたすら混沌として存在していた。

2024年のKYOTOGRAPHIEのテーマ「SOURCE」は、荒川の写真家・映像作家としてのエネルギーの源がどこから湧いてくるのか、何に共鳴をするのかを考えさせる。目を閉じても残る鮮やかで強烈なバイーアの光、その土地で何世代にもわたり生きるアフリカを祖先とする人々。荒川は本作品で、その土地から感じる溢れ出るエネルギーに焦点を当て、作品作りを通して見えてくる “何か” を考えていたという。

伝統と現代が整然と折り重なる京都の街では感じることの難しい、枠を突き破るほどの強い自然のエネルギー。20年を経て、いまだからこそ見えるブラジルの景色を作品にし、京都の地で展示することがまた新たに荒川自身の源を再発掘することとなる。

荒川幸祐
1981年京都生まれ。2009年よりブラジル、サンパウロ市に住み写真と映像を本格的に始める。幼少期より外国に住み、京都で育ちながらも若い時から異文化、音楽や芸術全般に興味を持つ。現在は写真と映像で幅広く活動し、KYOTOGRAPHIEとKYOTOPHONIEの映像制作を担当する。

中澤有基 / Yuki Nakazawa

中澤有基の作品は、写真という視覚構造や見るという写真構造を、メディウムを媒介にして、問いかけ続ける同芯円的な運動と言える。

三部作で構成される今シリーズは、パート3から始まる。パート1とパート2はまだ開催されていない。
「Re[  ]De:ll」というタイトルは、記号であり正確に発音することはできない。正確に発音できないことにより、その記号は目と声の間を漂流する。[  ]とはカッコに囲まれた空虚であり、便宜上それは外によってしか同定できない(空気を入れた袋のよう)。ReとDeは接頭詞であり、他の単語と接続することで意味が同定される。それらは、自己/世界/写真という絶えず変化する動的なものを、ReやDeという接頭詞によってさらに外側から運動させつづける。そしてリピート:llによって振り出しに戻り、線形のではない時間が運動する。入れ子状になった写真、レイヤー状になった構図、透明の写真、写真の写真、「写真」。

鑑賞者はイメージとメディウムによって、再来し、再帰し、解体し、脱構造し、始まりも終わりもない円環を運動し続けることになる。

中澤有基

1980年生まれ、写真家。2002年ビジュアルアーツ大阪卒。合同会社galleryMainを運営しながら写真作品を発表。主な展示に「震える森、焦点の距離」(2013年、Gallery 9 kyoto)、「無関係な関係、適切な距離」(2016年、galleryMain)「無関係な関係、空白の定義」(GalleryParc、京都)など。アートフェア「FOTOFEVER ARTFAIR PARIS」(Carousel du Louvre)に2014年・2015年に出展。外部での写真企画やディレクションなども行う。2015年よりKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭サテライトイベントKG+プログラムディレクターも務める。

ルシール・レイボーズ / Lucille Reyboz

SOURCE
幼少期を西アフリカで過ごした私にとって、アニミズムは単なる宗教体系にとどまるものではなかった。それは、私の人生観を規定する窓のようなものだったのである。1999年に初めて日本を訪れた時、私は神道にも同じように共鳴するものを感じた。神道には、私が信じるものの多くが美しく映し出されており、これは、双方に合い通じる精神性を発見したというだけでなく、日本の中に自分自身の姿が鏡像のように映し出されていることへの気づきでもあったのである。この体験は私の足を止め、この国をもっと深く知りたいという好奇心を掻き立てた。

ここで展示されている写真は、2007年に出版された私の写真集『SOURCE』に収録されているものである。このシリーズは、友人たちとともに何気なく始めた温泉入浴の儀式の研究がもとになっている。入浴はいつも生活の中心にあり、私にとって再生と平穏を感じられるシェルターのようなものだ。温泉のエネルギーを体感し、その温もりに包まれると、私はすぐさまその虜になった。自然との結びつきを感じ、生と死の境界が曖昧になり、このうえない安らぎを感じられたのである。

温泉では、私たちは社会的な偏見をすべて脱ぎ捨て、自分自身の身体を受け入れ、そして周囲の環境への高まった感受性を受け入れる。この体験は私たちを解放し、それは温泉の空間がもたらす癒しと自由のちから強い証明となる。

カメラは私にとって常に何かと何かをつなぐ橋渡しの道具であった。写真というメディアを通じて、私は人々とつながり、刹那と永遠が溶け合った時間の本質を捉えようとしてきた。本展で展示する写真は、単なる女性の身体のイメージではない。何かと結びつくことの神聖さ、精神性、そして友情の絆――宝物のような時間が、濃密に捉えられている。大切な関係、ともに過ごした時間の深みが、そこには内包されているのだ。

私はKYOTOGRAPHIEの共同創設者兼、共同ディレクターであるが、今回初めて、KYOTOGRAPHIEチームの素晴らしい写真家たちの作品と並んで、自分自身の作品をこの写真祭の場で発表することにした。
今年のKYOTOGRAPHIEのテーマは「SOURCE」。私の〈SOURCE〉シリーズをご覧いただく絶好の機会となった。

ルシール・レイボーズ
写真家。1973年生まれ。幼少期を過ごしたアフリカで写真を始める。1999年、坂本龍一のオペラ「Life」参加のために来日。ポートレート写真を得意とし、20年以上にわたってブルーノートやヴァーヴといったレーベルのレコードジャケットの撮影を手がけた経歴を持つ。アフリカと日本を拠点に、数々の展覧会で作品を発表。主な個展に「Visa pour l’image」(2001)「Phillips de Pury in New York」(2007)、CHANEL NEXUS HALL (2011)などがある。『Batammaba』(Gallimard)『Belles de Bamako』、平野啓一郎との共著『Impressions du Japon』(共に Editions de la Martinière)などの作品集を出す。2013年より仲西祐介と「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」を始める。

山神美琴 / Mikoto Yamagami

虚空にふれる
Touch the void

人間社会では常に関係性を求められ、社会的な意味を強いられるようなラベルを何百も必要とされる。山神はそれらラベルの役割や規範から逃れるための場所を探していた。

内在化して宙に浮いてしまったように曖味なもののなかから、奥底にあるものを掬い上げるように、或いは新たな存り方を模索する。それぞれの、自分自身との、他者との絶えぬ接触について。

山神美琴
2000年大阪府生まれ。2021年京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)卒業。自身の精神を整理するために制作を始める。現在は肉体イメージの再構築と更新、セクシャルとジェンダーについての性差的視線をリサーチし、制作を行う。そして精神/肉体、個/大衆の関係性について自らの肉体を用いることでコネクションを試み、あらゆる境界線に対してセルフポートレートでアプローチする。主な展示に2020年「CROSSFRONTIER 選抜展vol.1」(WACOAL STUDYHALL KYOTO)など。

開催概要

KYOTOGRAPHIE Team Photographers’ Exhibition
会期:2024年4月13日(土)~2024年5月12日(日)
時間:11:00~19:00
休館日:無休
会場:TIME’S 1F
住所:京都市中京区三条通河原町東入中島町92
入場料:無料

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