2023年4月15日(土)~2023年5月14日(日)まで、京都市内各所で「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023」が開催中!

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」は、世界屈指の文化都市・京都を舞台に開催される、日本でも数少ない国際的な写真祭だ。千年の長きにわたって伝統を守りながら、その一方で先端文化の発信地でもあり続けてきた京都。その京都がもっとも美しいといわれる春に開催される。
日本および海外の重要作品や貴重な写真コレクションを、趣のある歴史的建造物やモダンな近現代建築の空間に展開し、ときに伝統工芸職人や最先端テクノロジーとのコラボレーションも実現するなど、京都ならではの特徴ある写真祭を目指している。

第11回目を迎える今年は「BORDER」をテーマに、京都⽂化博物館別館、⼆条城⼆の丸御殿台所・御清所、両⾜院、出町桝形商店街など19カ所を会場に、15のメインプログラムを展開している。

出町桝形商店街「DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space」では、コートジボワールのアビジャンを拠点に活動するビジュアルアーティスト/写真家、ジョアナ・シュマリによる「Kyoto-Abidjan」を開催。

本プロジェクトは、今年のKYOTOGRAPHIEのテーマである「BORDER」からインスピレーションを受けて制作された新作。
市場や商店街は、その土地のコミュニティの理想と現実が融合し、濃密で、多様で、豊かで、そして常に活気あふれる場所だ。旅行者が初めて訪れる街で最初に行ってみたいと思う場所の一つであり、その土地に暮らす人々が日々の生活に必要なものを買い求めるために訪れる場所でもある。

どの国にも、どの文化にも、独自のマーケットというものがあり、色彩、音、匂い、そしてそこにいる人々の雰囲気は、それぞれ異なっている。しかしながら、すべてのマーケットに共通する要素もある。それは、地域社会の根源的な精神と奥深いところで結びついているという点だ。

シュマリは、京都の出町桝形商店街とコードジボワールの政治経済の中心地であるアビジャンのマーケット、それぞれの店先で撮影された店主たちのポートレート写真を双子のように組み合わせ、一つに結び合わせる。そこには、人間性と人情いう人類共通の特質が表現されている。二つの写真の間をカラフルな糸で刺繍することで、日本とコートジボワールの2国間のBORDER=境界線を曖昧にするのだ。

刺繍によってイメージをひとつに融合させるというイリュージョン的な手法で、シュマリは想像の中のマーケットを具現化。そこでは、京都の人々とアビジャンの人々が隣人同士になっている。作品空間の中では、彼らは同じ場所で、互いに肩を並べて働いているのだ。個性も文化も異なる人々が共存し、ともに自由を謳歌する、そこには、同じ人間として彼らが共有しているものが、くっきりと浮かび上がっている。

アーティストプロフィール

ジョアナ・シュマリ / Joana Choumali
1974年生まれ。
コートジボワールのアビジャンを拠点に活動するビジュアルアーティスト、写真家。
カサブランカ(モロッコ)でグラフィックアートを学び、広告代理店でアートディレクターとして働いた後、写真家としてのキャリアをスタートさせる。
主にコンセプチュアルなポートレート、ミクストメディア、ドキュメンタリー写真に取り組む。
シュマリの作品の多くはアフリカに焦点を当て、アフリカの無数の文化について学んだことを表現している。
主な受賞歴に、「CapPrize Award」(2014)「Emerging Photographer LensCulture Award」(2014)などがある。
2019年には、「希望」をテーマにしたシリーズ「Ça va aller」で、第8回「プリピクテ」のアフリカ人初の受賞者となる。
著作に『HAABRE, THE LAST GENERATION』(2016)がある。
2020年、ハーバード大学ピーボディ考古学・民族学博物館のロバート・ガードナー・フェロー(写真部門)に任命された。

キュレータープロフィール

マリア・ピア・ベルナルドーニ / Maria Pia Bernardoni
マリア・ピア・ベルナルドーニは、キュレーターおよび多文化横断的プロジェクトの企画者として、地域コミュニティを主体とする社会的インパクトの強いプロジェクトの企画と振興に特に力を入れて活動している。
キュレーターやコンサルタント、またアーティストの代理人として、西アフリカ諸国のアーティストや団体と連携してきた経験を通して、アフリカの数多くのアート関係者との間で信頼を醸成し、ネットワークや人脈を構築してきた。
2015年からはAfrican Artists’ Foundationが企画する国際展のキュレーターを務め、写真フェスティバル「LagosPhoto」では2015年から2019年にかけてキュレーターチームの一員として活動した。
難民申請者やフランス国民へのインタビューによって構成された短編映画「If I Left My Country」(私が母国を離れたら)の原案・監督を務め、本作は2018年のアルル国際写真フェスティバルで上映された。
2020年にはブライトン大学客員研究員として、学術界と現代美術の世界をつなぐ革新的な協力体制の構築を目指すプロジェクトに取り組んだ。

開催概要

開催日:2023年4月15日(土)~5月14日(日)
時間:12:00~21:00
※出町桝形商店街 アーケードに常時展示
※DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Spaceは、12:00~21:00 (ラストオーダー20:00)
休館日:4月17日(月)・24日(月)、5月8日(月)
会場:出町桝形商店街 ― DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space
住所:京都市上京区三栄町62
アクセス:京阪「出町柳」駅5番出口から徒歩5分
入場:無料

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