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2023年1月23日(月)にサンワカンパニー東京ショールームにて、サンワカンパニーが毎年主催している「sanwacompany Art Award / Art in The House 2023」の授賞式が開催された。

「くらしを楽しく、美しく。」を理念に、キッチンをはじめとした住宅設備機器・建築資材を開発・販売するサンワカンパニーは、現代アートの分野で活躍する新進気鋭のアーティストをサポート。
「sanwacompany Art Award / Art in The House 2023」では、より良いLIFEスタイル「アートのあるくらし」を提案する作品展示プランを募集した。

受賞作品は東京メトロ銀座線外苑前駅すぐにある東京ショールーム内にて展示。
今回は平面作品プランの募集となり、絵画や写真に限らず、壁面内で展開されるインスタレーション等のプランも歓迎された。
選考にはアート、ビジネスなどさまざまな分野で活躍する方々を審査員に招き、グランプリ受賞者には賞金の授与や東京ショールームでの作品展示に加えて、アートメディア「ARTLOGUE」での紹介記事掲載の副賞を予定されてる。

アートアワードは「推薦人制度」をとっているのが特徴的で、エントリー作品はすべて質の高いものとなっている。
審査会では、なぜアーティストを推すのかなど、審査員間でプレゼンテーションやディスカッションを行い、
残った最大5名の作家について議論を深め、最終的にグランプリを決定する仕組みだ。
社長賞ついては、社長の独断と偏見や好みで選ぶというような賞になっている。

▼今回の受賞者
グランプリ:千本木 晴 《daily tool》
サンワカンパニー社長特別賞:新 正春 《Bone, Skin, Texture》
ファイナリスト:寺岡波瑠 《noitatiml》
ファイナリスト:LILY NIGHT 《Ontology of the Future(未来の存在論)》
ファイナリスト:細井えみか 《Act of camouflage》

審査委員コメント

高橋隆史(株式会社ブレインパッド代表取締役社長)
今回初めて審査員として参加します。少ない情報でこのクオリティの作家から1人選ぶという、結構難しいものを引き受けてしまったなっていうのが正直なところです。質が良いものの中から、さらに議論しながら納得があるものを選ぶというプロセスだったので、大変ではあったのですが、とても楽しい作業で良かったなと思います。作家の皆さんは実質A4・1枚の企画書にプラス、ポートフォリオ等々で表現しきらなければならないので、大変だったんだろうなと思いましたが、選出する側も大変でしたということで、お互い痛み分けということで(笑)。その中で、選ばれた作品を拝見させていただいて、素晴らしい作家を選べたんじゃないかなと、結果に関しては納得をしております。

德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
職業柄、こういったコンペの審査委員はよくさせていただくんですが、推薦人制度っていうのをとっている分、ものすごく皆さんクオリティが高くて、最初3名ずつ推薦したときも全然重ならなかったと、審査過程がすごい特徴だったと思います。そうやって重ならない中で議論していくと、他の審査委員の方の視点であったり、あるいは自分が見逃していた作家さんの魅力であったりとか、ものすごく学びが多い審査でございました。今回、初めて実際に作品を拝見させていただいて、応募されてきたときとは内容とかが全く違う作品がここに並んでいるわけですけれど、これはいい意味で全然違って良かったです。今回この審査委員に参加させていただいて、自分の視点を広げることができたのでものすごくいい経験になりました。ありがとうございました。受賞者の皆様おめでとうございます。

服部今日子(フィリップスオークショニアズ日本代表・ディレクター)
今回、受賞者の皆様おめでとうございます。クオリティの高い作品ばかりで、何回も、何回も最後まで議論をして決まったので、どの作品もすごく素晴らしかったなと思います。実際に見ているといろいろ想像をして、やっぱりこの作家の作品を見てみたいなという気持ちが、みんなの中で話しているうちにどんどん芽生えていって、今回の受賞になったのではないかなと思います。実際、ものがない中で、この人の作品が見たいと思わせる力って考えると素晴らしいことだなと思うので、そのことだけでも今回の受賞者の皆様、光っていたと思います。実際に作品を見て、どの作品も想像を超えて素晴らしいものだと思いますので、審査に参加させていただいてすごく嬉しく思います。重ねて、おめでとうございます。

グランプリ:千本木 晴

受賞作品:《daily tool》
推薦者:
安藤隆一郎(京都市立芸術大学美術学部工芸科染織専攻講師)

千本木 晴《daily tool》


作家コメント:
千本木 晴
この度は、私の作品を選んでいただき本当にありがとうございます。私自身、こういうコンペの賞をいただくのは初めてなので、まだ実感はわきません。
昨年度に大学を卒業したばかりで、これから作品をどう作っていこうかっていうあやふやな状態で、ただ作ることは好きだし、作り続けたいけど作り続けていいのかみたいなところにある状態でした。
先生に推薦していただき、またこのような場に呼んでいただけて、本当に今後も頑張っていこうという自信にとてもなりました。
自分自身、染織を大学でしていたのですが、染織を通して日常生活と作品の間、境界みたいなものを作品で作りたい、表現したいなという気持ちがずっとあったので、今回のこのサンワカンパニーの展示でこのような賞がいただけて、とても嬉しく思います。
これからも頑張りますので、応援の方、よろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

審査委員コメント:高橋隆史(株式会社ブレインパッド代表取締役社長)
おめでとうございます。私こういう審査委員に慣れていないんですが、コレクターという立場で選んでいただければいいですからというお言葉をいただいたので、なかなか得られる機会もないので引き受けさせていただきました。
僕はアートコレクションを始めてしばらくの間飾っていませんでした。最近家ができて飾ってみると、家に飾れる作品とそうでないものって相性の良し悪しがあります。そういう中で千本木さんの作品っていうのは、生活にあっても違和感がないというか、むしろ生活を華やかにしてくれるイメージがわきやすかったというところで、多分最初から推させていただいたと記憶をしております。
今回は平面が展示なのに対してかなりギリギリのプランで、これは平面といっていいんだろうかという話で先程の話を聞くと、平面というか初めてですということでした。そういう意味でも、アグレッシブさというところも含めて、グランプリにふさわしい方を選ぶことができたのかなと思います。
実際にこの展示を見ていない方は、来て見ていただきたいなと思うのですが、決して簡単な展示ではありません。壁を新しく作り、しかも窓側に作って飾るという話になってるので、決して簡単じゃない環境だと思いまさす。また、本当に即興でなのかわかりませんが、壁にスリットをあけて向こう側の光も取り込みながら、美しく繊細に染められた布の作品が映える形で展示されてますので、ぜひこれは見ていただきたいです。相応しいものが選ばれたと納得いただけるのかなと思います。本当に今回はおめでとうございました。

サンワカンパニー社長特別賞:新 正春

受賞作品:《Bone, Skin, Texture》
推薦者:大庭大介(京都芸術大学大学院特任准教授)
プレゼンター:山根太郎(株式会社サンワカンパニー代表取締役社長)

新 正春《Bone, Skin, Texture》

新 正春《肌が触れ合う際に発生する斥力》


作家コメント:
新 正春
この度は、社長特別賞を受賞させていただき誠にありがとうございます。
僕は普段から、絵画をベースとした作品を制作しています。今回《Bone, Skin, Texture》というタイトルのシリーズになっており、今回は3DCGからタイトルを取っています。昔美術がまだ発展していない時代と、美術が発達した時代の人間というのは、物の見方一つを取ってもちょっとずつ変化してるんじゃないかなと思い、そのようなコンセプトを伝えられるような作品にできたらいいなと思って制作しました。もう一つのシリーズでは絵の具だけでなく、建築用の内装のタイルなどそういったものとか使ったりしながら作品を制作しています。
これからもこの賞を励みに制作を続けていきたいと思います。ありがとうございます。

プレゼンターコメント:山根太郎
この賞に関しては審査が非常に楽なんですね。自分が好きな作品を選べばいいので。ただ、付け加えますと、自分が好きだっていうのを言語化するとどういうことかというと、まさにこの会社のアートコンペのテーマである「アートな暮らし」であったりとか、今回来てみてどれも違和感がないんですね。もともとここに置いてあったとしても、非常に違和感のない作品が多いです。
私は自宅もショールームと同じようなテイストなので、毎回特別賞を送らせていただいた作品は、あとでポートフォリオを見せていただいて、あとで買わせていただいています。空間に合うというところと、先程説明いただいた作品も、もともとご自身のキッチンのところにいつも貼っているところから着想を得てるということだったんで、非常にテーマとマッチしてるかなと思って選ばせていただきました。

ファイナリスト:寺岡波瑠

受賞作品:《noitatiml》
推薦者:坂東幸輔(京都市立芸術大学准教授 / 坂東幸輔建築設計事務所)

寺岡波瑠《ore》

作家コメント:寺岡波瑠
とても嬉しくて、本当に現地に行きたかったんですけど、今、秋田県にいるのでどうしても叶わず、オンラインでの参加失礼します。ショールームで展示させていただけることがとても嬉しかったです。ありがとうございます。

審査委員コメント:德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
おめでとうございます。寺岡さんの作品は企画書で見ていたものと、そちらに飾ってある建築のドローイングが全く違う作品だったので最初ちょっとビビりました。バスルームに飾ってある作品が寺岡さんがやろうとしていることに近いのでしょうか。素材のキメが重なることで生まれる「モアレ」っていう言葉を使って表現されていたんですけれど、新しい身体感覚っていうのが、ものすごい繊細な形で緻密に描かれていて感動しました。すごくいい作品で、科学の世界での応用研究じゃなくて、基礎研究に近いことをやってらっしゃると思うんですけど、こういったことは自分だけの表現であったり、今の時代にはない次の新しい表現が生まれるきっかけになると思います。

ファイナリスト:LILY NIGHT

受賞作品:《Ontology of the Future(未来の存在論)》
推薦者:金森 香(株式会社プリコグ プロデューサー)
プレゼンター:服部今日子

作家コメント:LILY NIGHT
この度は、受賞させていただいてありがとうございます。中国出身で、日本に留学して東京を拠点にしているアーティストのLILY NIGHTです。
普段は仕事をしていて、今仕事でシンガポールに来ておりまして、本当にあいにく明日が帰国なんですけど、今日参加できず本当に申し訳ございません。この度は、ご評価いただいたことにとても嬉しく思っています。本当にコメントがすごく私の心に染みたなと、本当に嬉しいばかりです。普段、結構理解されないことが多いと感じ取っているんですけど、本当にこの度は嬉しく思います。これからも頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

審査委員コメント:服部今日子
LILYさんの作品は何十名かで審査をしているときに、「LILYさんには賞はあげたいよね」と結構満場一致になったのを記憶しております。
実際に審査のときに、最初に「LILY NIGHT」っていう名前から私結構引っかかってまして、この人どういう人なんだろうと思わせることも、すごくアーティストだなと思って、最初に引っかかりました。あと、いただいた資料の作品がどれも素晴らしくて、実際に見たことがなかったので、この作家の作品見てみたいなって思いました。また、何がすごく際立っていたかというと、コンセプトがすごくしっかりしていて、アートを通じていろんなものを探究しているという視点も、またその視点も今回のシリーズが「未来の存在論」なんて、なかなか考えないことを、アートを探究されているっていうのもとても面白いなと思いました。
強い作品で、いろんな意味でいくとコンセプトも骨太ですし作品も骨太で、将来が楽しみな作家さんだなと思いました。実際に作品を拝見させていただいて、どういう風になってるんだろうと思ったのですが、どういう風に作ったのかなっていうのがいまだによくわからなくて、それもまたどうなってるんだろうと思わせるのがとても素晴らしいところだなと思いました。おめでとうございます。

ファイナリスト:細井えみか

受賞作品:《Act of camouflage》
推薦者:吉田茂治(フリーランス、元求龍堂編集者)

細井えみか《Window Ⅱ》

細井えみか《Untitled》

細井えみか《Motion-Grabbing》

作家コメント:細井えみか
ありがとうございます。作家の細井です。よろしくお願いします。
今のところ彫刻作品と言ってはいるんですけど、最終的に、あんまり自分の作品が美術作品として、作品ですみたいな感じで置かれるような存在とはちょっと違うよなと思っています。日常生活で目にするような風景というか、五感の情報にちょっと違和感を覚えるような存在であってほしいなという感じで、今制作をしています。なので、そういった意味でショールームは、日常をより良いものにするみたいな製品が展示されている空間ではあるので、そういう場で展示をさせていただけることにものすごく嬉しく思っています。現時点では彫刻で、何年かしたら彫刻とは言ってないかもしれないですけど、今後ともあたたかく見守っていただけたらと思います。この度はどうもありがとうございます。

プレゼンターコメント:鈴木大輔
見るからにおかしい物体がという感じがして、プランを見たときからこれはなんだろうというような、本当に興味をそそられるものだなと思いました。
その中で、懐かしさだったり、少しノスタルジックであったり、あとは安心という言葉も書いていたと思うんですけども、どこかでそういうものを感じさせられました。よくよく見るとそこには鉄の素材で作られたビスが埋め込まれていて、とても安心して座れたり触れたりするようなものではないなということを感じております。これを見たときに、最近ホームレスを排除するために椅子などに突起物を付けるなど、社会的なところにまでつながるような奥行の深い作品だなと思いました。もっともっと大きい作品とかインスタレーションとかも見てみたいなと強く思っています。この度は、受賞おめでとうございます。

開催概要

展示期間 :2023年1月20日(金)~3月26日(日)(予定)
時間:10:00~17:00
展示場所 : サンワカンパニー東京ショールーム
※なお、今後の状況次第では予約制の再開、営業時間変更の可能性もございますので、予めご了承くださいますようお願いします。
※変更や中止については、WEBサイト上にてお知らせしますので、定期的にご確認ください。

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