国立新美術館では昨年に引き続き、FASHION FRONTIER PROGRAMに協力している。
ファッションデザイナーの中里唯馬が発起人となり、これからの時代を見据えた若手デザイナー育成のために始まったFASHION FRONTIER PROGRAM 2022のファイナリストの作品をロビーに展示している。みずみずしい感性にあふれた新たな時代のファッションの提案を楽しめる内容となっている。
村尾拓美作品《リボンの男たちに》 服は布に直接3Dプリンターで出力されたもの同士を繋いで構成されている。”リボンの男”は新しい経済活動をする象徴。
島田響作品《Transformation》機能性が失われた廃材などを用い、男女性の曖昧さを大量生産・大量消費のフローから外に位置づけ表現している。
ヤマモトキサ作品《AS IT IS》自身の精神疾患の経験をきっかけに、労働環境への負担軽減を目指す服作りを提案。そのまま簡単に縫製ができるディティールや手法を用いている。
山本勇大作品《垂れ流しの記憶》最も身近な記憶である”レシート”が不要とされる問題をファッションを通し表現。感熱紙である特性を活かしオプ・アートのよう視覚的に訴えかける。
播磨マイア作品《Biodegradable Net》作者が日本に来た頃のプレッシャーを魚網を通して表現。アルギン酸ナトリウム(食品業界)やグリセリン(化粧品業界)など、ファッション業界では型破りとなる素材を使用。
佐藤凛花作品《ゴミ箱の中から街中へ》食品加工業で大量に捨てられるゴム手袋を、その伸縮性を活かした手編みのニットドレスにした。人々が心惹かれる時、それはゴミで無くなるという思いを表現。
山田菜々葉作品《Cómhaireachtáil caorach agus daoine》愛知牧場の羊「さあこ」のウールから手紡ぎ、手編みで制作。羊や人、セーターの、命の循環を再現。
田中優大/田中杏奈作品《Wearable Toy》装うことができるおもちゃをテーマに、不要になった布団から集められたアップサイクルダウンで制作。
本田琉碧作品《ニュールック》結婚の象徴であるウエディングドレスを時代の変化と共に再解釈し、新たな価値観や多様な愛の形を表現。様々な色が集積した灰色は社会における平等の原理を示唆する。
和田由里子作品《一着多種》多種多様な柄のデザインをクロマキー技術を使ってバーチャル展示することで、製造工程上での生地の廃棄を減らす設計としている。
井口貴仁作品《camouflage》目立たない、その場で紛れ込むという思いを迷彩柄で表現。けれども作った服は見てもらいたいという矛盾を孕んでいる。
開催概要
開催日:2022年11月30日(水)~2022年12月12日(月)
休館日:火曜日(火・祝の時は開館、翌平日休館)
会場:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 1階ロビー
予約不要・無料
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