2021年2月28日(日)~4月18日(日)、練馬区立美術館にて「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」が開催される。
街に縦横無尽に走る電線は、美的景観を損ねるものと忌み嫌われてきた一方で、そうした雑然感は、人々が幼いころから慣れ親しんだ故郷や都市の風景として、ノスタルジーと共に刻み込まれている。
小林清親は、文明開化の象徴として電信柱を画面中央に堂々と据えた《従箱根山中冨嶽眺望》を描いたし、東京が拡大していった証として岸田劉生は《代々木附近(代々木附近の赤土風景)》で電柱を描いた。また小絲源太郎は、《屋根の都》で架線をモダン都市のシンボルとして描いたし、朝井閑右衛門は電線と架線の交差に幻想を見出した。
また本展では、日本古来よりの陶磁器産業から生まれた碍子にも着目する。その造形美に惹かれた画家も少なくない。
本展では、これらの作品とともに、明治初期から現代に至るまでの電線、電柱が果たした役割と各時代ごとに絵画化された作品の意図を検証する。
都市の景観と電線は共存できるのか。絵画史、都市論とともに、近代都市・東京を新たな視点で見つめ直す絶好の機会となる。
◆開催概要
開催期間:2021年2月28日(日)~4月18日(日)
開館時間:10:00~18:00 ※最終入場は17:30まで
住所: 練馬区立美術館
料金:一般1,000円、大学生・高校生800円、中学生以下無料