「Study:大阪関西国際芸術祭」での共創教育を目指し、株式会社アートローグと大阪工業大学が、「Study:大阪関西国際芸術祭2023」開幕の前日、1月27日(金)に、大阪工業大学 梅田キャンパスで、包括連携協定の調印式を行った。
本協定は互いが持つ社会的資源や人的交流の機能を活用し、社会をより良くするアイデアを実現する為の様々な取り組みを共催し、特別講座の開催や、関西の企業との共創事業などを推進することを目的とするものだ。
▼出席者
【株式会社アートローグ】
Study:大阪関西国際芸術祭 創設者・総合プロデューサー 鈴木大輔(代表取締役CEO)
藤村滋弘(代表取締役CCO)、芸術祭参加キュレーター、アーティスト 他
【大阪工業大学】
大阪工業大学学長 井上 晋
ロボティクス&デザイン工学部長 井上 明
ロボティクス&デザイン工学部 空間デザイン学科教授 郡 裕美
ロボティクス&デザインセンター センター長 松井謙二
大阪関西国際芸術祭 実行委員会 内定者
会長 山極壽一(総合地球環境学研究所所長)
副会長 鳥井信吾(サントリーホールディングス株式会社 副会長)
大阪工業大学学長 井上 晋 挨拶
「世のため、人のため、地域のため」という建学の精神のもとに、社会に役立つ技術者を育成する場としてやってきた本学園も、昨年の10月に創立100周年を迎えました。
ここ梅田キャンパスは、2014年に開校以来、建学の精神にもありますように「地域のため」、本学園の地域連携を含めて活用してきました。今後はアートを通じて、いろんな成果を社会に還元すると同時に、本学園の教育にも役立てていきたいと思っています。
そのような中で今回アートローグ様と協定を結ぶことで、社会に新たなイノベーションを生み出して、それを皆様に還元できるような取り組み進めていきたいと思っています。
株式会社アートローグ 代表取締役CEO 鈴木大輔 挨拶
大阪工業大学とアートローグが、どうして包括連携協定を結ぶんだろうと思っている方も多いと思います。
我々はデザインシンキングや、論理的な思考に限界や行き詰まりを感じていて、それを突破するためにはアート思考で未来を創造していく力が必要なんじゃないかと考えました。
以前にも、アートシンキングのセミナーを京都大学でやったり、アーツアントレプレナーを育成するような活動をしたり、エンパワーメントするような活動についても計画しておりました。そういった中で、大阪工業大学さんとは郡裕美先生(同学梅田キャンパス ロボティクス&デザイン工学部 空間デザイン学科教授)を通じてお近づきになる機会を得て、お話しを重ねる中で意気投合しました。
大阪工業大学さんがこの梅田の立地を活かしながら、イノベーションを起こせるような人材育成をされていることを真似していきたいなと思い、この度は協定を結ばせていただくことになりました。これから何をしていくかを考えていく段階ではありますけども、可能性を感じていただける方がいらっしゃいましたら、どしどし「何か一緒にやろう」と声を掛けていただければと思っております。
株式会社アートローグ 代表取締役CEO 鈴木大輔より、全体の説明
弊社は「Arts for Human and Planet」をビジョンに掲げるスタートアップです。
もともと私は大阪市立大学の研究プロジェクトとして、「社会考察の観点でアートをどうやって活かしていけるのか、また、テクノロジーの力を使ってアートをどうやって広めていけるのか」ということをテーマに活動をしておりました。
それを持続可能なプロジェクトにするために2017年7月7日に株式会社化し、アートを活かした社会問題の解決を目的として事業に取り組む「社会的企業」として活動をしております。ご来賓いただいている、南條史生さん(森美術館館長)も株主になってくれています。他にも松本大さん(マネックスグループ)や、関西圏のスタートアップ経営者の方々にもご出資いただいております。
これまでメディア事業を立ち上げて情報発信をしたり、京都大学でアートシンキングのセミナーをしたり、アートの世界ではさまざまな活動をしてきました。トップクラスのアーティストの作品を7%まで精米した最高級の日本酒のラベルに採用するというプロジェクトも行っています。他にもVRのアーカイブ事業などもやっております。
コロナ前のデータになりますが、美術館にはプロ野球観戦者の倍以上である年間5500万人の方が入場しているというデータがあります。一方で、残念ながら日本のアートプラットフォームは極めて小さいです。日本の芸術祭は瀬戸内が大きくて有名ですけども、世界的に見ると規模としては非常に小さいです。
そこで我々は、大阪万博という機会を極めて重要視しています。万博は150カ国が関わり、約2800万人もの人が来るといわれているイベントです。これを一過性にしてはならないと思っています。「万博も良かったけど、あの芸術祭も良かったね」となれば、次の芸術祭にも来てくれる可能性が出てきます。
国際芸術祭というのは、まさに外交の場です。これはヴェネチア・ビエンナーレでの文化大臣のFacebookの投稿ですが、各国の文化大臣たちと交流したというようなことが書かれています。我々もこういった場づくりを目指して、大阪万博に合わせて2025年に芸術祭を立ち上げ、150カ国のアーティストを招聘すれば、各国の文化大臣クラスのVIPやメディアが来て、それをまた自国で紹介してくれて、一気にグローバルに知れ渡る芸術祭になるのではないかと思っています。
ただ、我々はこれをゴールではなくスタートラインと考えています。万博の2年後には「ワールドマスターズゲームズ」もありますし、その先の2029年にはIRが開業すると思いますので、そういうものにぶつけていく形でやっていこうと考えております。こういうことを妄想しながら2年の準備期間を経て、日本博という国の制度、そして大阪市芸術活動振興にも催促をいただき、TEAM EXPOにも認定をいただきました。
まだまだ小規模なイベントですが、昨年、大阪関西国際芸術祭を初開催しました。現状、関西の地に国際芸術祭というものはありません。ですので、それらを立ち上げるにあたり、何が可能なのか、そして何をすべきなのかということを「study」していこうということで開催しております。
一番特徴的なところは、芸術祭だけではなく、アートフェアも実施しているという点です。作家のアーティスト活動をサポートするために、ちゃんとマーケットを作っていくということを考えて、この大阪関西国際芸術祭ではアートフェアをやっております。
他にも、アートを旅として楽しんでもらおうと、アートツーリズムという観点を持って我々はやっており、そのためのアクティビティも用意しています。アートダイニングというプログラムでは料亭やレストランなどに作品展示をするとともに、特別コースを作ってもらって提供しております。
また、アートのイベントということでVIPの方々も来られるので、そういった方々に向けたVIPツアーも組んでおります。さらに万博協会さんとは、昨年の6月から「アート&インパクト:イノベーターと共に考えるアフター万博の世界」というテーマで、さまざまなジャンルのイノベーターを招いてのトークイベントを開催してきております。初回は平田オリザさんと南條史生さん、第2回目は大林組の大林剛郎会長、第3回目はジャズピアニストでパナソニックの役員でもある小川理子さんにも出ていただきました。
では、2025年にはどういったイベントを目指すのかですが、展覧会のような「見る」イベント、アートフェアやアートオークションのような「買う」イベント、さまざまなカンファレンスや、クリエイティブ産業を含むビジネスの展示会などを開催する予定です。大阪という大都会でやるからには、世界中のクリエイティブ・インダストリーの取引の場に、大阪をしていきたいと思っています。
「Study:大阪関西国際芸術祭 2023」とは
2025年に世界最大級のアートフェスティバル「大阪関西国際芸術祭」の開催を目指し、「アートとヒト」「アートと社会」の関係性や、アートの可能性を検証し学ぶ(Studyする)ためのプレイベント
。第2回となる今回は、関西に縁あるアーティストの展覧会をはじめ、国内外のギャラリーが出展し誰もが作品購入を楽しめるアートフェア、そしてアートの可能性を引き出すべくテーマ性を持ったカンファレンスの実施、さらにはレストランを会場に、期間限定で食とアートのコラボレーションを実現するアートダイニングなど、芸術祭会期の17日間、アートを『みる』『買う』『食す』『学ぶ』、多彩なプログラムを実施する。
開催概要
芸術祭会期:2023年1月28日(土)~2月13日(月)
※プログラムや会場により開館時間が異なります
アートフェア
プレビュー:2023年2月10日(金) 13:00〜19:00
一般公開:2023年2月11日(土)11:00〜19:00、 2月12日(日)11:00〜16:00
チケット
前売券:一般2,500円 学生1,500円
当日券:一般3,000円 学生2,000円
会場
大阪府立中之島図書館、釜ヶ崎芸術大学、kioku手芸館「たんす」、グランフロント大阪、THE BOLY OSAKA、船場エクセルビル、飛田会館、ほか 大阪市内各所