2022年12月13日(火)~2022年12月24日(土)まで、リコーアートギャラリーにて、「名和晃平個展 Focus」が開催中だ。2022年12月をもって閉廊するリコーアートギャラリーは、これまでの活動を締めくくる展覧会として本展を開催。名和の立体プリントによる 12 点の新作を発表している。

名和は自身の創作のルーツの一つとして、幼少期の天体観測の記憶とそこから派生した天文や物理への興味を挙げており、これまでも重力をはじめとした「世界をかたちづくる不可視の力」をたびたび作品のテーマとしてきた。今回は、UVプリントという、平面と立体、版画と立体造形の中間的な質感を持つメディアを用い、情報と物質の境界的な存在としてこれを表現。作品を構成する黒一色のインクの塊には、星々の光やその間に働く万有引力、それを観測する人間のパースペクティブ、そして彼らが立つ大地を形成した地球の運動といった、力の無数の側面が取り出されている。

名和 晃平 | Kohei Nawa
彫刻家。Sandwich Inc. 代表。京都芸術大学教授。1975 年生まれ。京都を拠点に活動。
2003 年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。2009 年「Sandwich」を創設。

名和は、感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着目し、セル( 細胞・粒) という概念を機軸として、2002 年に情報化時代を象徴する「PixCell」を発表。生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティング「Direction」やシリコーンオイルが空間に降り注ぐ「Force」、液面に現れる泡とグリッドの「Biomatrix」、そして泡そのものが巨大なボリュームに成長する「Foam」など、彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性がひらかれてくるような知覚体験を生み出してきた。

近年では、アートパビリオン「洸庭」など、建築のプロジェクトも手がける。2015 年以降、ベルギーの振付家/ダンサーのダミアン・ジャレとの協働によるパフォーマンス作品「VESSEL」を国内外で公演中。2018 年にフランス・ルーヴル美術館ピラミッド内にて彫刻作品《Throne》を特別展示。

開催概要

開催日:2022年12月13日(火) 〜2022年12月24日(土)
時間:12:00 ~ 19:00 ※最終日18:00 終了
休廊日:日・月・祝
会場:RICOH ART GALLERY
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8F / 9F

※ 新型コロナウイルス感染防止に伴う緊急事態宣言発令等により、会期・営業時間が前後する可能性がございます。

詳細はこちら

『ONBEAT vol.14』では名和晃平を大特集!