国立国際美術館ほか、ギャラリーが多く存在し、2022年には大阪中之島美術館がオープンするなど、芸術の街として栄えている中之島。そんな中之島に近接する文化・ビジネスの街、大阪・堂島では、アフターコロナを見据え、大きな注目が集まる25年に向けて、現在「旅とアート」をコンセプトとした大規模な街の再開発が進められている。そしてその一つとして、世界有数のラグジュアリーホテルブランド「Four Seasons Hotel」と分譲マンション「Brillia Tower 堂島」が一体となった超高層複合タワー《ONE DOJIMA》が開発中だ。
同タワーでは、アートキュレーター南條史生氏(森美術館特別顧問、エヌアンドエー株式会社代表取締役)の監修のもと、世界のトップアーティストたちによるアート作品の展示が計画されており、今回、その敷地屋外に設置予定であるパブリックアートの1つを彫刻家・名和晃平氏が手がけることが発表された。(公開は2024年5月予定)
名和晃平 プロフィール
彫刻家/Sandwich Inc.代表/京都芸術大学教授
1975年生まれ。京都を拠点に活動。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。
2009 年「Sandwich」を創設。
名和は、感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着目し、セル(細胞・粒)という概念を機軸として、2002 年に情報化時代を象徴する「PixCell」を発表。生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティング「Direction」やシリコーンオイルが空間に降り注ぐ「Force」、液面に現れる泡とグリッドの「Biomatrix」、そして泡そのものが巨大なボリュームに成長する「Foam」など、彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性がひらかれてくるような知覚体験を生み出してきた。
近年では、アートパビリオン「洸庭」など、建築のプロジェクトも手がける。2015 年以降、ベルギーの振付家/ダンサーのダミアン・ジャレとの協働によるパフォーマンス作品「VESSEL」を国内外で公演中。
2018 年にフランス・ルーヴル美術館 ピラミッド内にて彫刻作品「Throne」を特別展示。
南條史生 プロフィール
慶應義塾大学経済学部、文学部哲学科美学美術史学専攻にて学位取得後、1978 年国際交流基金、1986 年 ICA ナゴヤ ディレクター等を経て、2002 年森美術館開設に関わる。
2006 年同館館長、2020 年より同館特別顧問。国際的には、1997 年ベニス・ビエンナーレ、2001 年横浜トリエンナーレ、2006 年シンガポール・ビエンナーレ、2016 年茨城県北芸術祭、2017 年ホノルルビエンナーレ等の初代ディレクターを歴任。
「ONE DOJIMA プロジェクト」概要
所 在 地 : 大阪府大阪市北区堂島二丁目17 番5(地番)
敷地面 積 : 4,828.17 ㎡
延床面 積 : 82,499.63 ㎡
構造・規模 : 鉄筋コンクリート造、鉄骨造地上49 階 地下1 階建
施設構 成 : 住宅フロア1 階~27 階、38 階~29 階
ホテルフロア1 階~2 階、28 階~37 階
事 業 主 : 東京建物株式会社、Hotel Properties Limited
施 工 : 株式会社竹中工務店
設 計 : 株式会社日建設計
『ONBEAT vol.14』では名和晃平を大特集!
キュレーター長谷川祐子との対談を掲載。