明治以降、文明開化や関東大震災などにより、度々変貌を遂げてきた東京は、「大東京」と称された街並みだけではなく、劇場やカフェなど新しい娯楽の誕生や女性の社会進出など、そこに集う人々の装いやライフスタイルも変化した。
本展では、明治、大正、昭和へと時代とともに発展した東京の街並みや人々の生活を、版画や絵葉書、写真、当時流行したファッションやアール・デコ様式の調度品など通して垣間見ることができる。
東京の各地で再開発が進み、都市の景観が変わるとともに、「新しい生活様式」などライフスタイルが変化する今こそ見たい、「東京」の街の変遷の記録ーーー。
◆展示概要
プロローグ 近代、 東京の幕開け
明治時代、 欧米諸国との対等な関係を築くため、 西洋の制度や文化が積極的に取り入れられた。 東京では西洋の様式を取り入れた大規模な建築や街並みが誕生し、 文明開化の象徴として人々の注目を集めるとともに、 上流階級の女性たちの華やかなドレス姿は錦絵の新たな主題として
第1章 ひろがる大衆文化
明治末から大正にかけて、 西洋文化は庶民の生活の中にも徐々に取り入れられていく。呉服店は百貨店となり、 鮮やかな広告は人々の目を惹きつけ、 都市には劇場やカフェなど新しい娯楽の場が誕生し、 丸の内はオフィス街として発展した。 都市の新しい姿は、帝都東京の新名所として絵葉書で盛んに紹介された。本章では、大衆の間で親しまれた品々を紹介する。
第2章 よみがえる都市、 大東京
1923年に発生した関東大震災で甚大な被害を受けた東京の街は、 その後の大規模な復興事業により新たな建築や公園、 道路、 橋などの建設が進められ、 近代的な都市へと生まれ変わった。さらに鉄道の発達や郊外の開発も進み、この頃から「大東京」と称されるようになる。本章では、版画や絵葉書、 写真などに写し取られた「大東京」の姿を紹介する。
第3章 華開くモダン文化
大正時代から女性の社会進出が徐々に進み、震災以降、社会で活躍する女性たちの姿が注目されるようになった。特に1930年代に入ると、 洋装に身を包んだ「モダンガール」と呼ばれる女性たちなど、人々は自由におしゃれを楽しみ、 カフェやダンスホールなど、 モダンな都市生活を謳歌するようになった。また、 当時ヨーロッパで流行したアール・デコ様式が日本でも流行し、 着物の柄や様々な調度品、 広告などに幅広く取り入れられた。
本章では、震災を乗り越え、 賑わいを取り戻した東京に集う人々に焦点を当てる。
開催日:2020年8月25日(火)~11月23日(月・祝)
開館時間:9:30~17:30(最終入館は30分前まで)
休館日:月曜日(ただし、 8月31日、 9月14日・21日、 11月23日は開館)
住所:東京都墨田区横網1-4-1 東京都江戸東京博物館 常設展示室内 5F企画展示室
当日入館料:一般600円、大学生480円、中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円、中学生(都内)・小学生以下無料