イマーシブ・ミュージアム 「THE MOVEUM YOKOHAMA by TOYOTA GROUP」が、横浜の山下ふ頭に2025年12月20日(土)〜2026年3月31日(火)の期間限定でオープン!
文=藤田博孝(ONBEAT編集長) 撮影:クレジットを参照(表記のないものは公式画像を使用)

「THE MOVEUM YOKOHAMA」先行披露レセプションにて。左から豊田章男(トヨタ自動車代表取締役会長)、山口智子(俳優)、シグリット・ベルカ(駐日オーストリア共和国大使)、山中竹春(横浜市長)、都倉俊一(文化庁長官)。
日本を代表する大企業TOYOTA GROUP が、神奈川県横浜市の山下ふ頭4号上屋にて、イマーシブ・ミュージアム「THE MOVEUM YOKOHAMA by TOYOTA GROUP」(以下「ザ・ムービアムヨコハマ」)を2025年12月20日(土)から2026年3月31日(火)まで開催する。

山下ふ頭4号上屋 撮影:藤田紘那

THE MOVEUMのエントランス
「ザ・ムービアム ヨコハマ」は、THE MOVEUM THEATERとTHE MOVEUM STUDIOで構成されており、前者はメインステージ、2Fエリア、ミラールームからなる。

THEATER ENTRANCE 撮影:藤田博孝
THE MOVEUM THEATERでは、こけら落としのプログラムとして、グスタフ・クリムトとエゴンシーレの作品で構成された52分の映像「ウィーン世紀末芸術『美の黄金時代』グスタフ・クリムトとエゴン・シーレ〜光と影の芸術家たち〜」を上映。75台のプロジェクターと27台のスピーカーによって約1,800㎡の巨大空間に映像と音楽が行き渡り、観客を没入感に誘う。


「ウィーン世紀末芸術『美の黄金時代』グスタフ・クリムトとエゴン・シーレ〜光と影の芸術家たち〜」より「グスタフ・クリムト:黄金時代」撮影:藤田紘那


「ウィーン世紀末芸術『美の黄金時代』グスタフ・クリムトとエゴン・シーレ〜光と影の芸術家たち〜」より「エゴン・シーレ:黄金の影で」撮影:藤田紘那
THE MOVEUM THEATERのミラールームでは、メインステージとは違った没入感が体感できる。




THE MOVEUM THEATERのミラールームの展示(上記4点とも) 撮影:藤田紘那
一方、THE MOVEUM STUDIOではオープニング・プログラムとして、俳優の山口智子のライフワークであり、自身がプロデュースを務めるプロジェクト「LISTEN.」の新シリーズ「ONE MOMENT」を上映。彼女が2010年から10年をかけて世界各地で収録した音楽文化が15分の映像プログラムとして上映される。その中で紹介されるカザフスタンやリトアニア、ハンガリー、ジョージアといった国々の音楽には、それぞれの風土によって培われた独自の深い味わいがあり、心を揺さぶられる。

「LISTEN.」の新シリーズ「ONE MOMENT」 山口氏が巡った国々の画像 撮影:藤田紘那

「LISTEN.」の新シリーズ「ONE MOMENT」よりカザフスタンの音楽文化の紹介場面 撮影:藤田博孝

「LISTEN.」の新シリーズ「ONE MOMENT」よりアルゼンチンの音楽文化の紹介場面

「LISTEN.」の新シリーズ「ONE MOMENT」よりリトアニアの音楽文化の紹介場面
山口氏への囲み取材で筆者が「これから行ってみたい場所」を問うと「まだまだ世界の国々、全然行けてないんですけど、地球を巡ってみて、1番いま興味が改めて沸き起こっているのが日本」という答えが返ってきた。
「世界に出て、いかに日本が世界に影響を与えてきたかを強く認識できた。だからこそ、ふるさとの日本に立ち返って、日本を探り直したいという気持ちにやっとなれた」のだという。
その気持ちを「不良少女が1回家を飛び出して、またふるさとに帰る感覚」と表現した。

囲み取材で報道陣の質問に答える俳優の山口智子 撮影:藤田博孝
「THE MOVEUM YOKOHAMA」先行披露レセプションでは、豊田章男(トヨタ自動車代表取締役会長)、山口智子(俳優)、都倉俊一(文化庁長官)、山中竹春(横浜市長)、シグリット・ベルカ(駐日オーストリア共和国大使)が登壇し、それぞれの思いを語った。

「THE MOVEUM YOKOHAMA」先行披露レセプションより。 左からMC、豊田章男(トヨタ自動車代表取締役会長)、山口智子(俳優)、都倉俊一(文化庁長官)、山中竹春(横浜市長)。 撮影:藤田紘那
豊田章男会長は、トヨタグループの長年にわたる社会・文化貢献活動に対する認知度の低さに言及。「ザ・ムービアム ヨコハマ」を同グループの芸術分野へのコミットメントを示すための「器」として位置づけると語り、同グループと「横浜」との接点に関する知られざるエピソードを紹介した。
山口智子氏は、トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏(豊田章男氏の祖父)をモデルとしたドラマ(『LEADERS』2014年、『LEADERS II』2017年)で、その妻役を演じた経験もあり、同グループとは縁がある。自身のプロジェクト「LISTEN.」をこの会場で発表できた喜びを語るとともに、 世界を「体感」して、より良い未来を築いていこうと訴えた。

「THE MOVEUM YOKOHAMA」先行披露レセプションより。 左からMC、豊田章男(トヨタ自動車代表取締役会長)、山口智子(俳優)、都倉俊一(文化庁長官)、山中竹春(横浜市長)。 撮影:藤田紘那
作曲家の都倉長官は「ザ・ムービアムヨコハマ」の高精細な映像と音響技術の高さを絶賛。 東京国立博物館で今年開催された「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」での小学生たちの反応を例に挙げ、こうしたイマーシブな体験が教育にもたらす効果に言及。「ザ・ムービアムヨコハマ」に寄せる期待を語った。
山中市長は「横浜のウォーターフロント公園の終着点にこの施設ができた。歴史と未来が交差する場所になると感じています」と、「ザ・ムービアムヨコハマ」を横浜に迎え入れた喜びを語った。
レセプションには、オーストリアのシグリッド・ベルカ駐日大使も来賓として登壇し、「最初の展示にオーストリアを代表する2人の芸術家が選ばれて光栄です」と喜びの声をあげた。

トヨタのモビリティ e-Palette 撮影:藤田紘那
会期中はトヨタのモビリティ e-Paletteが、山下ふ頭バス待合所からTHE MOVEUM YOKOHAMAまでの区間を5~10分間隔で運行しているので、埠頭は歩かなくて済む。
また、「ザ・ムービアムヨコハマ」は会期中(毎日16:30~24:00)、フランス出身のデザイナー、アーティスト、彫刻家、そして「光の振付師」と呼ばれるマテオ・メッセルヴィによってライトアップされる。
アートファンならずとも「ザ・ムービアム ヨコハマ」を、横浜ウォーターフロント散歩のプランに加えたくなる人は多いだろう。
THE MOVEUM YOKOHAMA by TOYOTA GROUP
会期:2025年12月20日〜2026年3月31日
住所:神奈川県横浜市中区山下町279-9(山下ふ頭4号上屋)
開館時間:10:30〜19:30(金土・祝前日〜20:30)
休館日:会期中無休
料金(当日):一般 3800円 / 大学生・高校生・専門学校生 2700円 / 小・中学生 1900円 / 障がい者手帳をお持ちの方 3300円 / 未就学児無料