世界で脚光を浴びる振付家ダミアン・ジャレと
京都発の彫刻家名和晃平によるコラボレーション
Planet[wanderer]

文、写真=ONBEAT編集部(一部オフィシャルサイト等参照)

世界で脚光を浴びる振付家ダミアン・ジャレと京都発の彫刻家名和晃平によるコラボレーション作品『Planet[wanderer]』が、新型コロナウイルス感染拡大の影響により京都では2度も延期になりましたが、いよいよ上演する運びとなりました。東京公演は11月1日(土)-3日(月・祝)東京芸術劇場 プレイハウスにて、京都公演はロームシアター京都10周年記念事業として、11月8日(土)-9日(日)ロームシアター京都 サウスホールにて上演されます。上演に先駆けて、8月27日(水)にダミアン・ジャレ氏、名和晃平氏の取材会が行われました。

 

写真:ONBEAT編集部

 

『Planet[wanderer]』は、2016 年秋にロームシアター京都で世界初演を迎えた『VESSEL』*に続く作品です。『VESSEL』が日本最古の書物『古事記』の二つの世界、すなわち「黄泉の国(死者の世界)」と「高天原(神の住処)」を描いたのに対し、『Planet[wanderer]』は三つ目の世界である「葦原中国」—私たちが生きる世界を舞台にしています。

 

写真:ONBEAT編集部

 

本作では、人間が葦のように、力と脆さ、調和と生存、破壊と進化の間で揺れ動く姿が表現されます。副題の「wanderer」は、「Planet(惑星)」の語源となるギリシャ語に含まれる「さまようもの」という意味とも呼応しています。生者と死者の境界線で、人間の身体と宇宙世界の構成要素や重力の不可分な関係を描き出す本作は、日本の彫刻家と欧州の振付家の共同作業ならではの、唯一無二の世界観を提示します。

*『VESSEL』: 2020 年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作ダンスノミネート

 

写真:ONBEAT編集部

 

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アーティストコメント

ダミアン・ジャレ(コンセプト・振付)より

『Planet[wanderer]』をついに日本で上演できることに、大変感動し、高揚しています。日本は、名和晃平氏とともに構想を温め始めた場所であり、この複雑なプロジェクトの最初のリサーチ・ワークショップを京都と石巻で丹念に作り上げた場所でもあります。当初はもっと早い時期での上演を目指していましたが、新型コロナウイルスのパンデミックやその他の技術的な要因により、実現が叶いませんでした。 『Planet[wanderer]』はこれまで世界各地で上演されてきましたが、日本の観客の皆様は、この作品のコンセプトの背景と表現形式の両方に見られる、計り知れないほど多くの深く日本的な文化的要素をすぐに認識されることでしょう。この作品は日本でこそ、他の国では成し得ないほどの共感を得ると信じています。 例えば、古事記における「葦原中国」、京都の枯山水、雅楽が未来的なエレクトロ・アコースティックな層が対話するティム・ヘッカー氏の音楽、8人のダンサーの一つ一つの動きに見られる儀式的な正確さとテンポ、吉本有輝子氏が作り上げた心を捉える陰影に富んだ照明デザイン、作品の中核をなすダンサーの湯浅永麻氏の力強いパフォーマンス、そしてその他にも数多くの要素が盛り込まれています。 これらの公演は、私が名和氏とのコラボレーションを始めて10周年という節目でもあります。名和氏は今や私にとって最も重要なコラボレーターの一人であり、彼からは本当に多くを学んできました。11月に東京と京都でお会いできることを楽しみにしています! © Rahi Rezvani

名和晃平(コンセプト・舞台美術)より

ロームシアター京都は2016年秋に『VESSEL』を初演した劇場であり、その成功が、以後の継続的な舞台作品制作の契機となったといっても過言ではありません。いわば、10年以上にわたるジャレとのコラボレーションの原点にあたる記念すべき場所です。三部作のひとつである『Planet[wanderer]』もこの流れの中に位置づけられ、これは今年5月にスイス・ジュネーヴで初演を行った最新作《Mirage》へとつながる極めて重要な作品です。本来、2020年および2022年にロームシアター京都で上演予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によって叶いませんでした。今回ようやく公演が実現することを、心から嬉しく思っております。 © Michael Somoroff

 

 

開催概要

ダミアン・ジャレ×名和晃平『Planet[wanderer]』

■東京公演 舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」 参加作品
日時:2025年11月1日(土)~3日(月・祝) 各15時開演
*11月3日(月・祝)は、見えない・見えにくい方のための「音声ガイド(タッチツアー付き)」を実施(要予約)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
主催:東京舞台芸術祭実行委員会〔東京都、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕
共同招聘:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)
助成: 文化庁文化芸術振興費補助金
劇場・音楽堂等機能強化推進事業(劇場・音楽堂等機能強化総合支援事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
協賛:アサヒグループジャパン株式会社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
公式サイト:https://www.geigeki.jp/performance/theater376/

■京都公演 ロームシアター京都10周年記念事業
日時:2025年11月8日(土)19時開演/11月9日(日)15時開演★
※各回受付は開演1時間前、開場は開演30分前
★9日託児あり。詳細・お申込みはロームシアター京都WEBサイトにてご確認ください。
会場:ロームシアター京都 サウスホール
主催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市
共同招聘:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:文化庁文化芸術振興費補助金 劇場・音楽堂等機能強化推進事業(劇場・音楽堂等機能強化総合支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
With the support of Dance Reflections by Van Cleef & Arpels
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
KYOTO EXPERIMENT 2025 提携プログラム
公式サイト:https://rohmtheatrekyoto.jp/event/133684/

 

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