「一枚の布」というフィロソフィー
「FLY WITH IM MEN」

文、写真=ONBEAT編集部(一部プレスリリース等参照)

三宅一生の「一枚の布」という思想を男性の身体という視点から捉え、ものづくりの可能性を追求するメンズブランド、IM MEN(アイム メン)は、2021年のスタート以来、デザインとエンジニアリングの双方に精通したデザインチームが、その融合による新たなものづくりを実現してきた。

 

2025年1月、初めてパリ・ファッション・ウィークでコレクションを発表し、さらに同じ会場で翌日から3日間開催した展覧会が、本展のもととなっている。これは、ファッションのみならず広くクリエイティブ分野に関わる人々をはじめ、多くの人が垣根を越えて交流を深め、社会と服飾デザインとの未来の関係性を探る良いきっかけになることを目指して挑戦したものだった。

 

 

本展では、パリで展示したものの中から、「一枚の布」というフィロソフィーに基づくいくつかのプロダクトにフォーカスしている。その特徴的な構造を表現したインスタレーションとともに、伝統の織りや染めと先端技術を掛け合わせながら開発した独自の布地や、設計技術を駆使し「一枚の布」が持つ可能性を極限まで探究した衣服のディテールを間近に見られる。

 

ONBEATが注目するポイント

ONBEATとして今回の展示で特に注目したいのは以下の点だ。

■展覧会の意義と広がり
ランウェイショーは限られた空間・人数に向けたものだが、その後の展覧会は一般の方にも来ていただける形式にした。特に、ファッション以外の分野の方々、例えばグラフィック、プロダクト、アートなどのクリエイターとも接点を持ち、服を起点にしたデザイン的な交流が生まれることを期待している。

■ 環境配慮と素材の進化
ウルトラスエードやリサイクルウールなど、環境に配慮した素材が多く使用されている。
特にサトウキビ由来のポリエステルは、再生可能で持続的な植物資源から作られている。

ブランドコンセプト

2021年にスタートしたIM MEN(アイムメン)は、三宅一生の「一枚の布」という思想を男性の身体という視点から捉え、ものづくりの可能性を追求している。ブランド名の「アイム」は、70年代後半から90年代にかけて展開していたブランド「アイム・プロダクト」から。知恵と工夫、好奇心やユーモア、驚きと発見といった、人間の創造性と感性から生まれる実用的なプロダクトが、使う人と出会う。その地平から新たな普遍性と美が生み出される。そんな精神を引き継いでいる。IM MENは、衣服の構造や素材の研究を続けてきたメンバーそれぞれの専門性を活かし、独自の視点による発想と技術を用いて、チームでのものづくりを行っている。互いのアイデアについて議論を重ねながら実験的なプロセスを共有し、技術とデザイン、クリエイションが一体となったものづくりを目指す。

開催概要

FLY WITH IM MEN

会期:2025年7月10日(木)~8月3日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
時間:10:00~19:00
休館日:火曜休館
入場料:無料
主催:株式会社イッセイミヤケ

IM MENデザインチームによるギャラリーツアー
会期中は毎週末、デザインチームによるギャラリーツアーを開催します。ブランドのものづくりに触れ、体感していただける機会に、ぜひお越しください。
7月12日、13日、19日、20日、26日、27日、8月2日、3日
いずれも15時開催(予約不要、日本語のみ)

詳細はイッセイ ミヤケ公式サイト(https://www.isseymiyake.com)をご確認ください。


© ISSEY MIYAKE INC.
Photo:Masaya Yoshimura (Copist)

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