日本美のミュージアムホテル、ホテル雅叙園東京が有する東京都指定有形文化財「百段階段」にて
「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」が開催中


文=ONBEAT編集部   写真=キャプションを参照

夏の風物詩「和のあかり×百段階段」

ホテル雅叙園東京では2015年夏に文化財「百段階段」にて「和のイルミネーション」をテーマに掲げた第1回目「和のあかり×百段階段」を開催。その後も「祭り」「色彩」「おとぎばなし」など、新たな視点で企画を実施し、日本の伝統と原風景の美しさを発信し続けてきた。第9回目となった2024年には累計来場者数58万人を突破した大人気の企画展。

今回の第10回のテーマは「鬼」。日本では「鬼」はいろいろな形で語り継がれて来た。その根底には「未知なるもの」「自分たちとは異なるもの」という概念があったが、果たしてそれだけなのだろうか・・・。38名のアーティストの様々な感性と表現により作り出された「百鬼繚乱」の世界を五感全体で感じながら現代にも息づく「鬼」の存在を自らの心にも問うひとときが味わえる。

類稀な彩りに満ちた唯一無二の文化財「百段階段」に「和のあかり」と「鬼」のアートが宿り、美しくも妖しげな空間が出現する。99段の階段廊下が繋ぐ7つの部屋には、6年ぶりの展示となる「青森ねぶた」をはじめ、照明、日本画、陶芸、伝統工芸、現代アートなどが並ぶ。階段を上がるたびに現れる世界の先には何があるのか、ぜひ体感してほしい。

漁樵の間「魂の声(菅原道真)」より/北村 春一(青森ねぶた ねぶた師) 写真:プレスリリース参照

 

みどころ

1.文化財でイマーシブ体験

展示会場である文化財「百段階段」は、1935(昭和10)年に建てられた、ホテル雅叙園東京で現存する唯一の木造建築だ。時の著名な画家や建具師、塗師など、熟練の職人たちが技術の粋を集めて装飾した江戸時代から伝わる伝統的な美意識と昭和初期のモダニズムが息づく美しい空間を背景に、現代アーティストたちの繊細さと躍動感を秘めた「和のあかり」と「鬼」の作品群が合わさり特別なイマーシブ体験へと誘う。

DI Palette(紙にしきごい)写真:プレスリリース参照

 

柳井金魚ちょうちん祭り(山口・柳井)写真:ONBEAT編集部

 

2.歩みを進めるごとに展開する「百鬼繚乱」の世界

古来より、さまざまな形で語り継がれてきた「鬼」を、38名のアーティストが個性豊かに表現した作品を展示。「和のあかり」に照らされたエントランスから始まる物語は、階段廊下が繋ぐ7つの部屋ごとに異なるテーマを持ち、多彩な「百鬼繚乱」の世界を織り成していく。

 

瀧下 和之(日本画家)写真:プレスリリース参照

 

星光の間「酒呑童子」より 写真:ONBEAT編集部

 

3.臨場感を引き立てるオリジナル楽曲と演出

本企画展のために作られたヨダタケシ氏によるオリジナルの楽曲は、幻想的かつダイナミックな世界を創出。そして心に深く響く音楽とともに、照明による陰影の変化、アロマの香りや風のゆらぎが織りなす演出は、人それぞれの内なる感覚に語りかけるように深い余韻を残す。

草丘の間「鬼の住処」より/榮 -SAKAE-(かんざし作家)写真:プレスリリース参照

 

エントランスより/倉敷光作所(希莉光あかり)写真:ONBEAT編集部

ヨダタケシ氏プロフィール

手を触れずに演奏する不思議な電子楽器、テルミンを操る音楽家。女神の歌声とも評される独特な音色を操り、ファンタジックな世界を創り出している。楽器演奏のほか、サウンドクリエイターとして国内外で映像作品等の音楽を手掛けている。
ヨダは次のように語る
「ひとりの人間の中にも、いくつもの“鬼”がいるのかもしれません。怒り、哀しみ、孤独、嫉妬、不安、愛しさ―。でもそれらすべてが、私たちの感情であり、命の響きであると考えます。」

出展者一覧

安宅漆工店(漆) / 網野 篤子(ガラス作家) / いろした工房(ガラスランプ) / 絵付けこあん(和ろうそく) / 岡半(ゆらぎ盆栽) / かざり工芸三浦(錺かんざし) / 柏木美術鋳物研究所(小田原風鈴) / 金谷 美帆(ビーズアーティスト) / かものはし(特殊造形) / キタガワアキコ(ガラス造形作家) / 北村 春一(青森ねぶた) / 倉敷光作所(希莉光あかり) / ゲンマ(照明作家) / ごまん(ワイヤーアート) / 榮 -SAKAE-(かんざし作家) / 佐藤 祥太(あかり美術家) / さぶさちえ(切り絵絵本作家) / 紗龔愛裡紗(抽象画作家) / ステンドグラス工房かわもと(ステンドグラス) / 清峰堂(九谷和グラス) / 髙井 一平(枯吹盆栽作家) / 髙橋 協子(陶芸) / 高山 しげこ(漉き紙の灯り) / 瀧下 和之(日本画家) / 谷 俊幸(照明作家) / タツミ(淡路瓦) / だるま商店(京都絵描きユニット) / DI Palette(紙にしきごい) / 栃木ダボ製作所(日本の神々のお面) / 白亜器(陶作家) / 林 貴俊(石巻こけし) / 廣田硝子(ガラス・江戸切子) / 村田民芸(郷土玩具) / MONOR(工芸作家) / 柳井金魚ちょうちん祭り(山口・柳井) / 米川 慶子(フラワーデザイナー) / ヨダタケシ(音楽) / 和のこと遊び(つまみ細工)

東京都指定有形文化財「百段階段」

1935(昭和10)年に建てられた、ホテル雅叙園東京で現存する唯一の木造建築で、斜面に沿って建築された7部屋を、99段の長い階段廊下が繋いでいる。それぞれの部屋は、担当した画家や建具師、塗師など熟練の職人達が技術の粋を集めて装飾しており、江戸時代から伝わる伝統的な美意識と昭和初期のモダニズムが息づいている。2009(平成21)年3月、東京都の有形文化財に指定された。

文化財「百段階段」写真:ONBEAT編集部 ホテル雅叙園東京 写真:ONBEAT編集部
開催概要

【期間】2025年7月4日(金)~9月23日(火・祝)※会期中無休
【時間】11:00~18:00(最終入館 17:30) ※8月16日(土)は17:00まで(最終入館 16:30)
【会場】ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
【料金】一般 ¥1,800 / 大学・高校生 ¥1,200 / 小・中学生 ¥1,000(すべて税込)
     ※未就学児無料、学生は要学生証呈示
【販売】ホテル雅叙園東京 / 公式オンラインチケット
【主催】ホテル雅叙園東京
【お問合せ】Tel. 03-5434-3140(イベント企画 10:00〜18:00)
【URL】www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/wanoakari2025

ホテル雅叙園東京

90年以上の伝統を受け継ぎ、2,500点もの日本画や美術工芸品に彩られた唯一無二のミュージアムホテル。茶室に見立てた全60室の客室は、80㎡以上のスイートルームで、スチームサウナとジェットバスを完備し、シンプルさと日本の気品ある美しさを兼ね備えている。もてなしの心を継承する日本料理や中国料理、イタリア料理など7つのレストラン、日本美の粋を尽くした和室宴会場をはじめとした23の宴会施設、そして東京都指定有形文化財「百段階段」を有している。

ホテル雅叙園東京 写真:プレスリリース参照

 

※2025年10月1日より一時休館
URL:www.hotelgajoen-tokyo.com/
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