葛飾北斎の作品の「あ!」っとおどろくしかけをみつける
「あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~」展がすみだ北斎美術館にて開催中!
(2025年8月31日まで)

文、写真=ONBEAT編集部

東京都墨田区は、世界的な画家として評価の高い葛飾北斎が生まれ、およそ90年の生涯のほとんどを過ごしながら優れた作品を数多く残した場所。「すみだ北斎美術館」は北斎及び門人の作品を紹介するほか、北斎と「すみだ」との関わりなどについてわかりやすく伝えていくことを目指し、展覧会をはじめ様々な普及事業を行っている。

子どもたちの夏休みを挟む期間に開催されている企画展「あ!っと北斎〜みて、みつけて、みえてくる浮世絵〜」は日本を代表する画家として知られる葛飾北斎の作品の中にある、「あ!」っとおどろく多くのしかけを紐解く。特に、はじめての美術館見学や、自由研究のための学習としても北斎や浮世絵に興味を持つ入口となるよう、やさしい解説で北斎や弟子の作品を紹介している。

開催概要

会期:開催中~2025年8月31日(日)
※前後期で一部展示替えを実施
前期:6月24日(火)~7月27日(日)
後期:7月29日(火)~8月31日(日)
時間
:9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜日
※月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日
開館:7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)
休館:7月22日(火)、8月12日(火)
料金:一般1,000円、高校生・大学生700円、65歳以上700円、中学生300円、障がい者300円、小学生以下無料
会場:すみだ北斎美術館
住所
:東京都墨田区亀沢2丁目7番2号
主催:墨田区・すみだ北斎美術館
WEBhttps://hokusai-museum.jp/at-hokusai/

見どころ

プロローグ 浮世絵と北斎 早わかり案内所
展示は「浮世絵」とは何か、北斎とはどんな人であったかを、北斎のデビューして使っていた「春朗」の画号の作品から読本や絵手本などを紹介から始まる。

葛飾北斎《新板浮絵両国喬夕涼花火見物之國》(通期)すみだ北斎美術館蔵 ※半期で同タイトルの作品に展示替え

葛飾北斎《『椿説弓張月』続編 巻一 英雄を絹で海神節婦義士を溺らす》(通期)すみだ北斎美術館蔵

葛飾北斎《『北斎漫画』十編》(通期)すみだ北斎美術館蔵

1 北斎の作品をみてみましょう
続けて北斎の代表作、小説の挿絵、肉筆画を紹介。
ここからは似た要素のある作品や後摺を並べて紹介し、その違いを比較して楽しむことができる。北斎の作品収集に特化しているすみだ北斎美術館ならではの展示だ。

葛飾北斎《漁師図》 (前期)すみだ北斎美術館蔵 ※本作は北斎が60代のころの自画像ともいわれている。

葛飾北斎《『敵討裏見葛葉』四 妖婦ふたゝび形をあらはし保名童子に見えて仇人悪右衛門が事を告る》(通期)すみだ北斎美術館蔵

葛飾北斎《『一筆画譜』狐火 狼 栗鼠 犬の子 兎》(通期)すみだ北斎美術館蔵

葛飾北斎《柳に燕図》(前期)すみだ北斎美術館蔵 葛飾北斎《魚介図》(前期)すみだ北斎美術館蔵
2 「あ!」っと、みつけて、みえてくる!

展示はさらなるしかけを考察していく。共通点であったり、違いであったり、絵の中に潜む細かな表現を見つけることで、北斎の作品の面白さと奥深さを体験することができる。

関連イベント

■スライドトーク
日時: 2025年7月19日(土)、8月9日(土)
各日13:30~14:00(開場13:00)、15:00~15:30(開場14:30)
講師: 本展担当学芸員
会場: MARUGEN100(講座室)
定員: 40名(各回開場時間から整理券配布)
料金: 無料(ただし企画展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要です)

■講演会「江戸時代の絵画に使われた青色の歴史」(仮)
日時: 2025年7月21日(月・祝) 14:00~15:30(開場13:30)
登壇者: 谷口陽子氏(筑波大学人文社会系歴史・人類学専攻教授)
会場: MARUGEN100(講座室)
対象: 小中学生 ※一般の方もお申し込み可能です。
定員: 40名(事前申込制・先着順)※イベントの詳細と申込方法はHPを通じてお知らせします。
料金: 無料(ただし企画展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要です)

■教育普及イベント「北斎で自由研究!」
日時: 2025年8月2日(土)14:00~15:00(開場13:30)
講師: 墨田区教育委員会事務局指導室指導主事
会場: MARUGEN100(講座室)
対象: 小中学生
定員: 40名(事前申込制・先着順)※イベントの詳細と申込方法はHPを通じてお知らせします。
料金: 無料(ただし企画展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要です)

■トークフリータイム(参加自由)
日程:7、8月の第4水・木曜日
7月23日(水)、24日(木)、8月27日(水)、28日(木)
および企画展関連イベント実施日
7月19日(土)、21日(月・祝)、8月2日(土)、9日(土)
時間: 各日13:00~16:00
会場: 館内すべての展示室
※小中学生とそのご家族を中心に作品鑑賞を支援する時間帯とはなりますが、どなたでもご観覧いただけます。


初めて浮世絵を見る人でも、今まで見てきた人でも改めてその魅力や理解を深めることができる本展へぜひ足を運んでいただきたい。
4階では常設展「隅田川両岸景色図巻(複製画)と北斎漫画」も開催中。あわせてご覧ください。

葛飾北斎《百人一首乳母かゑとき 猿丸太夫》(通期)すみだ北斎美術館蔵 ※半期で同タイトルの作品に展示替え

葛飾北斎《富嶽三十六景 五百らかん寺さゞゐどう》(通期)すみだ北斎美術館蔵 ※半期で同タイトルの作品に展示替え

葛飾北斎《『己痴群夢多字画尽』後編》(通期)すみだ北斎美術館蔵

葛飾北斎《『北斎略画手ほどき』》(通期)すみだ北斎美術館蔵 ※半期で頁替え

常設展プラス:隅田川両岸景色図巻(複製画)と北斎漫画

4階の常設展では、「隅田川両岸景色図巻(複製画)と北斎漫画」と題して北斎の肉筆画の中で最長とされている「隅田川両岸景色図巻」の高精細複製画と世界に影響を与えた『北斎漫画』を常設する展示が行われている。北斎の絵手本の実物約10冊を展示する「北斎漫画と北斎の絵手本」コーナーの隣では、「今月の逸品」として「冨嶽三十六景」をはじめとする北斎の錦絵の実物から毎月1作品を選び、月に1度展示替えを行いながら紹介。手にとって見られる『北斎漫画』をはじめとする北斎の絵手本のレプリカ約15冊の展示も見どころ。

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