浮世絵の世界に没入し、江戸時代にタイムスリップ!
「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」が角川武蔵野ミュージアムにて開催中!(2026年1月18日まで)
文=ONBEAT編集部、写真=藤田紘那
埼玉の角川武蔵野ミュージアムの1階のグランドギャラリーにて、巨大映像空間へ没入する360度体感型デジタルアート劇場第5弾「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」を開催している。
江戸時代に誕生し、花開いた浮世絵。浮世絵には人々の日常が描かれており、当時の流行や暮らし、日本の風景を知ることができる。歴史や伝説上の武士や英雄を描いた武者絵、歌舞伎役者を描いた役者絵、芸者や遊女、市井の女性を描いた美人画、各地の名所や富士山などを描いた風景画など、描かれる主題は多岐にわたり、庶民の生活に彩りを添えた。
角川武蔵野ミュージアムでは、これまでも数多く共作をしてきたクリエイティブディレクターのジャンフランコ・イアヌッツィとタッグを組み、浮世絵による体感型デジタルアート展を開催する。
喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳といった名だたる浮世絵師たちが描いた世界の中で、名所や宿場町を巡り、芝居小屋で歌舞伎を鑑賞し、伝説の生き物や妖怪たちに囲まれながら、当時の人々の喜びや楽しさを体感できる。音楽は、竜馬四重奏を率いるヴァイオリニストの竜馬による完全書き下ろし。ストリングス、ピアノ、尺八や箏などの和楽器によるモダンな演奏とともに、江戸時代へタイムスリップして浮世絵の世界を楽しめる。
会場では、池上彰館長による映像作品の音声解説を聞きながら鑑賞することができる。
江戸時代のメディア「浮世絵」を全身で体感し、学び、楽しむ(会場案内)
●浮世絵の誕生とその歴史(イントロダクション)
会場に入ると、まず浮世絵の誕生から、どのような歴史をたどって進化してきたのかの解説がある。浮世絵の祖・菱川師宣が描いた様々な流行の世界(浮世)や、錦絵の祖・鈴木春信の生みだした鮮やかな摺り木版画、そして版元である蔦屋重三郎のプロデュースで一気に広がるその歴史を紐解き、映像空間を楽しむ基礎知識を楽しみながら学べる。
●体感型デジタルアート(第1会場)
本展覧会のメインエリアとなる、アートと物語を全身で浴びて没入する体感型デジタルアート。江戸時代の重要なメディアのひとつであった浮世絵は、旅行や流行やファッション、人気の役者に話題の芸者などをいち早く発信する、現代でいうSNSにも似た存在だったとも言える。その中で描かれた彩り鮮やかな世界を、360度の壁面と床面に広がる映像に没入することで体感し、江戸時代にタイムスリップする体験を楽しめる。
【各幕タイトル】
第1章 東海道の旅路と日本の風景
第2章 深遠なる自然、めくるめく季節
第3章 さまざまな女性の絵姿
第4章 役者と歌舞伎の世界
第5章 豪傑たちの大奮闘
第6章 妖怪と伝説の中の生き物
●東海道五拾三次くるくるボード(回廊)
デジタルアート会場の先にある回廊では、歌川広重が描いた名作「東海道五拾三次」を紹介。回廊の長い通路を活かして東海道を一望でき、地名の札を回すとその土地が描かれた浮世絵が出てくる、楽しみながら浮世絵を学べる空間。
●浮世絵の魅力に迫る(第2会場)
浮世絵の重要なジャンルである「武者絵」「役者絵」「美人絵」「名所絵」から代表的な作家と作品を紹介。それぞれの浮世絵は、細かいところまでよく見てみると、当時の生活や文化を垣間見ることができる。また、独特な分業による制作工程や貴重な道具類も合わせて紹介。
●浮世絵立体ジオラマ
会場入口のホワイエには、どなたでも入れる無料のフォトスポットを設置。浮世絵に出てくる大浪や役者、富士山や東海道の風景などを立体化し、リアルな空間に再現。色彩鮮やかな浮世絵の世界を歩き回り、様々な写真を撮ることができる。
開催概要:「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」
会期:開催中~2026年1月18日(日)
時間:10:00~18:00(最終入館は17:30)
休館日:毎週火曜日、6月2日(月)~6日(金)、12月31日(水)、2026年1月1日(木)(4月29日(火)、5月6日(火)、8月12日(火)、9月23日(火)、12月30日(火)は臨時開館)
会場:角川武蔵野ミュージアム
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
WEB:https://kadcul.com/event/222