「やさしいくろと たゆとうあお」WHYNOT.TOKYOによる珠洲焼応援プロジェクトが始動

文=ONBEAT編集部、写真提供=WHYNOT.TOKYO

場所を固定せずテーマに応じた自由な展示を行いながら、アートを通した問いの実践や、アーティスト活動の継続支援に取り組んでいるWHYNOT.TOKYOが、本年1月1日の能登半島地震と 9月の豪雨で被災した珠洲焼作家を支援するため、珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろと たゆたうあお」 を始動した。
本プロジェクトでは「珠洲焼創作を継続できる環境の整備」 と、「展示会やアーティストトークにより珠洲焼の魅力を発信し、 作家とのつながりを深めること」を目的とする。
また 『地震日記』の著者で、珠洲で芸術祭に携わってきた 鹿野桃香が共同企画者として参画し、珠洲焼を通して珠洲を元気にできる企画に本プロジェクトを広げていくという。

12月16日 鹿野桃香『地震日記』朗読会

12月16日にはプロジェクトキックオフ企画として、その鹿野桃香による『地震日記』の朗読会が東京の祐天寺コミュニティセンターで開催された。
参加者たちは、震災を経験した鹿野自身の記録を通じて、災害と向き合う思いや、そこから生まれた視点を共有した。

鹿野桃香『地震日記』

 

12月20日~12月25日 Spiral Xmas Market 2024 (SPIRAL ブース出展)

WHYNOT.TOKYOでは珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろと たゆたうあお」の一環として、スパイラルで開催される「Spiral Xmas Market 2024」(会期:12月20日~25日)に出展し、珠洲焼とアートの作品を展示販売する
昨年末に開催された「Spiral Xmas Market 2023」にもWHYNOT.TOKYOは出展し、珠洲焼の若手作家によるグループ展を開催した
しかし、その開催直後の2024年1月1日に珠洲は令和6年奥能登地震に見舞われてしまう。
家や工房、窯を失くし、どうしたら再び創作が開始できるか全く検討もつかない状況の中から珠洲の作家たちが立ち上がり、今回の展示作品が集まったのだという。
また今回は、珠洲焼応援プロジェクトの趣旨に共感した現代アート作家も参加し、それぞれの視点や感性が織りなす多彩な作品を展示する。

Spiral Xmas Market 2024

12月21日 アーティストトーク&パネルディスカッション「珠洲焼作家:宮脇まゆみ、清水武徳 | ゲスト:ロバート・キャンベル」

WHYNOT.TOKYOでは、珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろと たゆたうあお」@Spiral Xmas Market 2024に連動するトークイベントを、ゲストに日本文学研究者のロバート・キャンベルを招き、12月21日 15時から広尾La Salle Fにて開催する。
東日本大震災でも震災後の復興プロセスに伴走してきたキャンベルが令和6年奥能登地震後の能登半島で注目しているのは、地域で大切にされてきた伝統工芸品であり、またそれに携わる人達がどのように再び制作に向き合っていくのかということ。
その過程に寄り添いながらこれまでに20人近くの能登の作家を取材してきたキャンベルが、現状の考察と復興への思いを語る。
そして珠洲焼作家の宮脇まゆみと清水武徳は、薪窯での製作工程など、炎と共に作品を作っていく薪窯の魅力をじっくりと語るという。


本イベントにご参加いただくにあたり、お一人1,000円以上のご寄付へのご協力をお願い申し上げます。
ご寄付は、珠洲焼の復興のために役立てさせていただきます。(WHYNOT.TOKYO)

「やさしいくろとたゆたうあお」 12月企画に寄せて

パチパチパチ 薪のはねる音がします。 青い夜に窯を焚く火が踊っています。 炎を囲んで酒を酌み交わしながら笑う人の声が聴こえてきます。その声に誘われていつの間にか輪の中にいます。窯の中には、珠洲の地から目覚め、慈しむように形をおびた土が輝いています。「能登はやさしや土までも」、そのようにしてこの地は暮らしてきたのです。

あの日からもうすぐ一年。 家や工房、 窯を失くし、 どうしたら創作が開始できるか検討もつかない状況の中から、 心を整え空を見上げ、 深呼吸しながら、少しずつ進んでいます。 その日々から、今ここにある作品が集いました。 被災を免れた作品、 復興した窯で新たに焼成した作品、200点を超える作品が揃いました。 10名の作家の作品を楽しめるのは、 石川県外で初。 また、復興を願い珠洲にゆかりのあるアーティスト8名も新作を書き下ろしていただきました。 アートと工芸が織りなす珠洲のたゆたう世界に触れていただけるはずです。

連動するアーティストトークでは、宮脇まゆみさんと清水武徳さんを迎え今の思いを語っていただきます。 奥能登の伝統工芸の復興を研究されている日本文学研究者ロバート・キャンベルさんを聞き手にお迎えしました。 能登と伝統工芸とその未来について深いお話が繰り広げられることでしょう。是非ご来場いただき珠洲に触れてください。

WHYNOT.TOKYO 運営代表 高屋典子

珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろと たゆたうあお」は、2024年12月に東京で開催された後、2025年1月に京都で開催され、2月には再び東京でアーティストトークとパネルディスカッションを開催するという。

2025年1月京都開催
 ・1月7日:鹿野桃香「地震日記」朗読会(京都 蔦屋書店)
・1月7日~31日:展示会「京都蔦屋書店」(京都 蔦屋書店)
2025年2月東京開催
・2月頃:アーティストトーク&パネルディスカッション(場所検討中)

珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろと たゆたうあお」応援方法

珠洲焼応援プロジェクト「やさしいくろと たゆたうあお」への応援方法は3種類。
ご紹介した展示会場で珠洲焼を購入することで「買って応援」する方法。
募金や寄付などの義援金で応援する方法(珠洲焼応援ポストカードも有り)。
本プロジェクトの活動をSNSや口コミで情報発信することでPR隊として応援する方法。
詳細はこちらをご覧ください。

Spiral Xmas Market 2023 Art Section

■開館時間
12月20日(金)17:00-20:00
12月21日(土)11:00-20:00
12月22日(日)11:00-19:00
12月23日(月)11:00-19:00
12月24日(火)11:00-19:00
12月25日(水)11:00-19:00
■参加アーティスト
珠洲焼:岩城伸佳宮脇まゆみ鍛治ちえみ清水武徳木澤孝則芝雪有賀純一折坂理恵中島大河林春香
アート:さわひらき城保奈美竹中美幸サルチョード・イル蓮井幹生上田智之高屋永遠塙康平
■所在地
Spiral Garden (Spiral 1F) 東京都港区南青山5-6-23
■アクセス
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1 出口前

主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
Instagram:@spiral_jp
Twitter:@SPIRAL_jp

アーティストトーク&パネルディスカッション「珠洲焼作家:宮脇まゆみ、清水武徳 | ゲスト:ロバート・キャンベル」

日 程:2024年12月21日(土)
時 間:15:00~17:00(開場 14:30)
会 場:La Salle F
東京都渋谷区広尾5-19-8 FIビル 3階
登壇者:宮脇まゆみ氏、清水武徳氏(珠洲焼作家)
ゲスト:ロバート・キャンベル氏(日本文学研究者)

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