岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する岡本太郎現代芸術賞(通称:TARO賞)の入選者が発表された。今年で24回目となる本賞には616点の応募があり、うち24名が入選。
大賞となる岡本太郎賞を受賞したのは現役高校生の大西茅布。受賞作品の《レクイコロス》は「レクイエム(鎮魂)」と「コロナウイルス」を掛け合わせた造語だ。ギリシア悲劇の「コロス(合唱)」や、日本語の「殺す」にも通じる点を面白く感じたという。
「私は17歳でまだ幼く、死にはもちろん悲惨な運命にも直面したこともありませんが、なぜか、人類の悲惨を作品化することに衝動を感じます。人に言わせると、前世で悲惨な目にあったに違いないということです。私は前世がどうであれ、世界の悲惨について目をつぶるわけにはいかないと考える人間です。絵を描くならやはりそういうものになると思います」(大西茅布)
審査員の山下裕二氏は「5m四方の壁面を大小さまざまなキャンバスが埋め尽くし、さらに巨大なイーゼルにも複数の絵がかけられ、インスタレーションとしても成功している。さまざまな人物の群像が、凄まじい圧力でこちらに迫ってくる。~現時点での集大成なのだろうが、底知れない可能性を感じさせる力作」とコメントを寄せている。
本賞の入選作品の展示は4月11日(日)まで。ぜひ次世代を担う24名の作家の作品を見てほしい。
なお、入選者は以下の通り。
<入選者>
東弘一郎/ AYUMI ADACHI /植竹雄二郎/牛尾篤/袁方洲/太田琴乃/大西茅布/小野環/
かえるかわる子/加藤立/金子朋樹/黒木重雄/さとうくみ子/許寧/園部惠永子/唐仁原希/
ながさわたかひろ/西野壮平/原田愛子/藤田朋一/浮遊亭骨牌/ミナミリョウヘイ/
モリソン小林/山崎良太
◆開催概要
開催日:2021年2月20日 (土) ~ 4月11日 (日)
休館日:毎週月曜日
開館時間:9:30~17:00 ※最終入場は16:30まで
住所: 川崎市多摩区枡形7-1-5 川崎市岡本太郎美術館
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
料金:一般700円、大学生・高校生500円、中学生以下無料