世界の現代アートが横浜に集結
第4回を迎える「Tokyo Gendai」が9月11日よりパシフィコ横浜で開催

 

世界のアートはいま、どこへ向かおうとしているのか。その現在地を、日本にいながら一望できる3日間がやってくる。

日本最大級の国際アートフェア「Tokyo Gendai(東京現代)」が、2026年9月11日(金)から13日(日)まで、パシフィコ横浜で開催される。

第4回を迎える今年は、日本をはじめ欧米、アジア、オセアニア、南米など世界各地から63のギャラリーが参加。国際的に評価されるアーティストから次代を担う若手まで、多様な作品が一堂に会する。

Venue photo in 2025 ©Tokyo Gendai

5つのセクターから見えてくる、現代アートの広がり

アートフェアは作品を売買するマーケットであると同時に、異なる文化圏から生まれた表現が出会い、その時代の感性や社会の変化を映し出す場所でもある。Tokyo Gendaiが掲げるのも、まさにそうした国境や世代を越えた対話だ。

「Tokyo Gendai」の大きな特徴は、会場が「Galleries」「Hana ‘Flower’」「Eda ‘Branch’」「Miki ‘Trunk’」「Tane ‘Seed’」という5つの主要セクターで構成されることだ。フェアの中核となる「Galleries」には、Pace Gallery(ペース・ギャラリー)やSadie Coles HQ(サディ・コールズHQ)をはじめ、国内外の主要ギャラリーが参加する。

タカ・イシイギャラリーは、ニューヨークを拠点とするアダム・ペンドルトン(Adam Pendleton)の新作をはじめ、長沢楓、大上巧真らを紹介。TARO NASUは田島美加、ブノワ・ピエロン(Benoît Piéron)、ライアン・ガンダー(Ryan Gander)らによるグループ展を展開する。

Gana Artは、 一瞬の瞬間を捉え再解釈する5人のアーティストを紹介。世代と文化を超えた対話を創出するセイソン&ベネティエールは、クレア・シェニエ、ロベール・コンバス、ヴィム・デルボアらの作品を展示。KOTARO NUKAGAは、ホセ・パルラ、松山智一、森本啓太、松川朋奈らの作品を展示する。

また、韓国のThe Page Galleryは、韓国抽象芸術を代表する「単色画(Dansaekhwa)」の巨匠、崔明永(Choi Myoung Young)と韓国現代彫刻の先駆者、朴錫元(Park Suk Won)を紹介。space Unはセネガル、カメルーン、ナイジェリア、ジンバブエ、ルワンダなど、アフリカ各地にルーツを持つ作家を集め、大陸を横断するようなプレゼンテーションを試みる。ア・ライトハウス・カナタは、所属アーティストの中から、素材の探求に焦点を当てた作品を多数展示。

一つの会場を歩くだけで、東京、ソウル、ニューヨーク、ヨーロッパ、アフリカへと視点が移動していく。その地理的な広がりも、国際アートフェアならではの醍醐味だろう。

Benoît Piéron, Steiner (2026) ©Benoît Piéron, Courtesy of TARO NASU, Photo by Keizo Kioku

Adam Pendleton, Untitled (Days) (2026) ©Adam Pendleton. Courtesy of Taka Ishii Gallery / Photo: Elizabeth Bernstein

新しい才能と出会う「Hana」、美術史を現在へつなぐ「Eda」

若手・中堅アーティストを中心に紹介する「Hana ‘Flower’」も見逃せない。

東京のCON_は山中雪乃の個展を開催し、Tokyo Gendaiのために制作された新作を発表。人体とその不安定な状態のあわいに立ち現れる、形を持たない存在を探求する。

Yutaka Kikutake Galleryは白簱花呼と森夕香の新作を通して、身体、イメージ、知覚の流動的な関係を提示。大阪のYoshiaki Inoue Galleryはパトリシア・ピッチニーニ(Patricia Piccinini)、太郎千恵藏、中辻悦子、北川宏人の作品から、人間中心主義を問い直す「ポストヒューマニズム」を多角的に考察する。

Yukino Yamanaka, open (2025), Courtesy of Artist and CON_

Yuka Mori, Night Gust (2025), Photo by Osamu Sakamoto, Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery

一方、「Eda ‘Branch’」では、著名作家や美術史的に重要な作家、特定のテーマに基づく展示に焦点を当てる。

みぞえ画廊は、日本の伝統的な造形感覚と西洋的な空間認識を融合させ、木やブロンズによる独自の抽象彫刻を切り拓いた豊福知徳の個展を開催。一穂堂ギャラリーは、泉田之也、KAKU、中野大輔、池田晃将、本間秀昭、鈴木祥太の6作家によって、日本の伝統、自然、現代社会が交差する地点を探る。

新しい表現だけを追うのではなく、その背後に連なる美術史や文化の記憶にも目を向ける。「Flower」と「Branch」という名称の通り、現在咲いている表現と、それを支える枝葉を同時に辿ることができそうだ。

Yukiya Izumita, 積層オブジェ (2024), Courtesy of Ippodo gallery Tokyo

Daisuke Nakano, Magnoria ‘Luminous Wind’ (2018), Courtesy of Ippodo gallery Tokyo

「紙」と「デジタル」——異なる時間軸が交差する

今年、とりわけ注目したいのが、新設される「Miki ‘Trunk’」と、2年ぶりに復活する「Tane ‘Seed’」である。

Miki ‘Trunk’」は、写真、ドローイング、版画など、紙や印刷を媒体とする作品に特化したセクターだ。

紙は古くから人間の思考やイメージを受け止めてきた最も身近な支持体の一つであり、日本の美術文化とも深く結びついている。その長い歴史を振り返るだけではなく、現代の作家たちが紙や写真、印刷というメディアをいかに読み替えているのかを提示する点に、このセクターの面白さがある。

BANGKOK CITYCITY GALLERYは、ミティ・ルアンクリタヤー(Miti Ruangkritya)、ハリット・スリッカオ(Harit Srikhao)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul)ら5人のタイ人アーティストを紹介。写真や映像を通して、社会、記憶、知覚とイメージの生成をめぐる問いを投げかける。

(left) Mia Liu, Blue and White Tarp (2022), Courtesy of UP Gallery and Artist
(right) Mia Liu, Desolation and Rebirth (2022), Courtesy of UP Gallery and Artist

Toko Shinoda, Silence (2004), Courtesy of The Tolman Collection

その対極にあるようでいて、実は同じく「イメージとは何か」という問いにつながっているのが「Tane ‘Seed’」だ。NFT、アニメーション、映像、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、ゲームなど、デジタルメディアに焦点を当てる同セクターでは、TAEXがマリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramović)のアバタープロジェクトなどを紹介。Takuro Someya Contemporary Artは、音と映像、データと物質の間を往還しながら、鑑賞者の身体そのものを体験へと取り込む黒川良一の作品を展示する。

AMEME, Fancy Fantasy! (2024) ©FAMEME. Courtesy Chi-Wen X MOV Collection

Ryoichi Kurokawa, oscillating continuum (2013), Artworks © RYOICHI KUROKAWA, Photo Courtesy of Studio RYOICHI KUROKAWA, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art

さらに今回はTokyo Gendai初の試みとして、台湾のギャラリーとアーティストを紹介する特別プロジェクトも展開される。長い時間をかけて人類が育んできた「紙」と、絶えず更新され続ける「デジタル」。一見すると対照的な二つのメディアを「幹(Trunk)」と「種(Seed)」として同じフェアの中に置いた構成からは、過去から未来へと連なる表現の生態系そのものを見渡そうとする、今年のTokyo Gendaiの姿勢も読み取れるだろう。

アートフェアから、対話と発見のプラットフォームへ

会場ではギャラリーによる展示に加え、トーク、インスタレーション、パフォーマンスなどのパブリックプログラムも予定されている。

共同創設者のマグナス・レンフリュー(Magnus Renfrew)は、Tokyo Gendaiについて、異文化間の交流を活性化するとともに、世界から訪れる人々に日本の現代アートの幅広さと質を体験してもらうために設立されたフェアだと語る。

作品を「見る」ことから、誰かと語り、考え、未知の価値観と出会うことへ。

世界各地から運ばれてきた作品を前にしたとき、そこには価格や市場評価だけでは測ることのできない、一人の作家が生きる土地の記憶や、社会への眼差し、素材と向き合ってきた時間が宿っていることに気づくだろう。

「芸術の秋」の入口となる9月。横浜に現れる束の間のアートの街を歩きながら、自分自身の感覚を揺さぶる一作を探してみてはいかがだろうか。

注目プログラム

「Tokyo Gendai」は、今年の主要プログラムに関する最新情報を公開したほか、注目プログラムの追加情報が続々と発表した。

●アート業界を代表するリーダーらが集結するトークセッション「Art Talks」のプログラム詳細が発表。 全9セッションを通じて、今日のアート界を形作る潮流や最新テーマについて議論し、アート業界の今を探る豪華プログラムが実現。

●第4回Tokyo Gendaiの主要プログラムの追加情報として、カイカイキキギャラリーによる若手作家にフォーカスした特別ブースや映像作品スクリーニング、上海の国際フォトフェア「PHOTOFAIRS Shanghai」とのコラボレーション企画など新プログラム多数。

●新たな取組として、フェア出展作品の一部が事前に閲覧可能な「オンラインカタログ」の公開もスタート。

●大型のサイトスペシフィック・インスタレーションやパフォーマンスに焦点を当てたプログラム「Sato ‘Meadow’」が、2026年もTokyo Gendaiに登場。Tokyo Gendaiの会場全体を舞台に、ブース展示の枠を超えた多彩な作品を展開し、来場者に没入感あふれるアート体験を提供する。

●活躍の場を広げつつある新進アーティストや、正当な評価を受け始めている注目のアーティストに焦点を当て、その声を国際的なオーディエンスに届けるとともに、今後の活動の発展を後押しすることを目的として創設された「Hana Artist Award」。本年も、フェアを象徴するプレゼンテーションを行う優れたアーティスト1名を選出する。

第3回Tokyo Gendai (2025) におけるHana Artist Awardの様子

 

●世界各国でアートフェアを運営する「Angus Montgomery Arts (AMA)」 が、北米を拠点に活動する初期から中堅キャリアのアーティストを支援するために設立した「AMA Artist Award」。AMA Artist Award 2026年の受賞者である現代アーティスト、ウマー・ラシッドが、Tokyo Gendaiのために特別に制作した新作を紹介する。

●2025年に初開催され好評を博した「キュレーター・シンポジウム」が、2026年も開催決定。日本各地で活躍するキュレーターに加え、世界の著名なキュレーターや美術館・文化機関の関係者を迎えて9月11日 (金) の午前に開催される。

●「VIPプログラム」として、Tokyo Gendaiの開催期間中は、世界各国から来場するコレクターを迎え、多彩なツアーやアクティベーション、特別イベントが実施される。

パートナー企業による出展

オフィシャルシャンパーニュパートナーのPerrier-Jouëtは、オランダ人クチュールデザイナー、イリス・ヴァン・ヘルペンとの新たなアートコラボレーションによる限定ボトル3点を、Tokyo Gendai会場内の特設ブースにて世界初披露する。

同ブースには特設の「ペリエ ジュエ バー」も設けられ、フェア期間中、シャンパーニュをバイ・ザ・グラスおよびフリーフローで楽しめる。

Perrier-Jouët × イリス・ヴァン・へルペンによるアートコレクションボトル3点を世界初公開

 

また、今年よりオフィシャルビューティーパートナーとしてTokyo Gendaiに参画するポーラは、「B.A」の世界観を体感できるブースを出展。

ポーラ文化研究所が所蔵する浮世絵や化粧道具の展示を通じて日本の化粧文化や美意識を紹介するとともに、B.Aのデザイン・香り・テクスチャーを通じた体験を提供する。

ポーラ最高峰ブランド「B.A 」の世界観を体感できるブースを展開

 

Tokyo Gendai(東京現代) 開催概要

Venue photo in 2025 ©Tokyo Gendai

 

会期:2026年9月11日(金)-13日(日) *招待客向けプレビューおよびヴェルニサージュは9月10日(木)に開催
会場:横浜国際平和会議場 (パシフィコ横浜) 展示ホールC/D
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
チケット販売
⼀般 5,000 円
ヴェルニサージュ 30,000円
⼤学⽣ 1,500 円
中⾼⽣/障がいのある⽅ 1,000 円
*小学生以下のお子様は無料
*すべて税込

チケット購入: ArtStickerとイープラスにてチケット販売中

※ヴェルニサージュ(招待制特別内覧会)とは一般公開に先立ち開催される招待制の特別内覧会です。
いち早く作品をご鑑賞いただけるほか、落ち着いた空間でアートフェアならではの特別なひとときをお過ごしいただけます
チケット購入者特典 ※特典のお受け取りは、当日インフォメーションにお越しください
・9/10開催、ヴェルニサージュ(招待制特別内覧会)へのご入場
・9/11-13の一般会期中、何度でもご入場可能
・9/11-13の一般会期中、開場時優先入場
・ウェルカムドリンクとしてシャンパン1杯サービス
・美術館への無料入館
・森美術館「ロン・ミュエク」にフェア会期中の9/10-13
・東京オペラシティ アートギャラリー「ほぼ、空 青木淳+リチャード・タトル」にフェア会期中の9/10-13
・ポーラ美術館「モネ没後100年・開館25周年記念 あたらしい目―モネと21世紀のアート」に展覧会会期中(~2027年4月7日)
・麻布台ヒルズギャラリー「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO – TOKYO」に9/18まで

Tokyo Gendai公式サイト: https://tokyogendai.com/ja/
Tokyo Gendai公式X: https://twitter.com/tokyogendai/
Tokyo Gendai公式Facebook: https://www.facebook.com/tokyogendai/
Tokyo Gendai公式インスタグラム: http://instagram.com/tokyogendai/

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