心が震える黄金の声、音楽大国マリの至宝
SALIF KEITA緊急来日!
文=藤田博孝(ONBEAT編集長)/写真=オフィシャルサイトより

サリフ・ケイタ ライブレポート
「アフリカの黄金の声」と称されるマリ共和国の音楽家サリフ・ケイタが緊急来日し、全国で熱いライブを繰り広げている。
その初日となる9月22日、20年以上振りとなる東京公演(六本木)にさっそく駆け付けた。
今回は、マリの伝統弦楽器「ンゴニ」、ベースドラムとなる瓢箪制パーカッション「ギタ」、トーキング・ドラムの「タマ」、ジェンベ、ギターというアクースティックな編成。
ピーター・バラカンさんらによるオープニングトークの後、ライブはサリフの弾き語りによる名曲《Folon》でスタートした。
今は亡き坂本龍一が1999年に行った伝説的ライブイベント『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』にも招聘された音楽界のレジェンドは、余裕の佇まいで弾き語りを終える。
他のメンバーもステージに加わると、アクースティック楽器の絶妙な絡みが生み出すグルーブに乗って、円熟味を増したサリフのボーカルも次第に熱を帯びていく。
観客もその心地よい自然なグルーブに乗せられ、みな気持ち良さげに身体を揺らしている。
『Moffou』『M’Bemba』『La Difference』といったアクースティック・アルバムから選ばれた名曲の数々によってステージは進行していく。
客席からはレジェンドに対するリスペクトも伝わってきて、ステージとの間に確かな一体感が生まれていた。
アンコールでは「Tomorrow, see you tomorrow」というリフレインを持つ《Tomorrow (Sadio)》が演奏され、ステージと観客とのコール&レスポンスでライブは幕を閉じた。
弊誌『ONBEAT』では、2023年にサリフが音楽イベント「KYOTOPHONIE」出演のため来日した際にもインタビューを敢行し、誌面で紹介するなど、音楽界のレジェンドの動向を注視し続けてきた。
今回も円熟した歌声と密度の濃い演奏とに触れ、レジェンド健在を実感した。
生きる伝説・サリフ・ケイタを目撃できる貴重な機会をどうぞお見逃しなく!
開催概要
Salif Keita緊急来日
■東京公演
日時:9月22日(月)終了
会場:SCHOOL LIVE & BAR ROPPONGI – Music, Drinks & Events(東京都港区六本木5丁目16−5 インペリアル六本木1号館 地下1階)
■北海道公演
日時:9月23日(火)17:00開場
会場:浦幌コミックホール(北海道十勝郡浦幌町本町100)
チケット:https://salifkeitajpn20250923.peatix.com/view
■大阪公演
日時:9月26日(金)18:30開場/19:30開演
会場:なんばHatch(大阪市浪速区湊町1-3-1)
チケット:https://eplus.jp/salif-keita/
■東京公演
日時:9月29日(月)18:30開場/19:30開演
会場:渋谷 WWW X(渋谷区宇田川町13-17)
チケット: https://t.livepocket.jp/e/salifkeita_wwwx?fbclid=PAZXh0bgNhZW0CMTEAAafWQ0bhTto4YW4UNQuz-f9BUoULUWiWz84P7x2IDYfkGI0B6omDJYARD8f0mQ_aem_utJ6R-6W6W1dp8IqfiVnPA
サリフ・ケイタ
1949年、かつてのマリ帝国の首都カンガバの隣り、ジョリバの村に生まれる。1970年代から当時の代表的なバンド、レイル・バンド、アンバサドゥールで歌手として活躍。アビジャンを経て、パリへ。1987年のアルバム「ソロ」が世界的なヒットとなる。1989年より90年代は来日ツアーも何回か重ねている。現在はバマコに拠点を移し、若いミュージシャンの育成にも尽力している。2023年、久し振りに来日し、京都で公演したが東京では行われず、今回の東京公演は20年以上振りとなる。