発売と同時に完売となる人気パフォーマンス
MUSICS あるいは複数の音楽たち その3 開催決定
文=ONBEAT編集部(一部オフィシャルサイト等参照)、写真=公益財団法人小田原文化財団
2022年11月の初回から大きな話題を呼んだ音楽家・大友良英によるパフォーマンス「MUSICS あるいは複数の音楽たち」シリーズ。毎回異なるアンサンブル・メンバーとともに繰り広げられるこの実験的なプロジェクトの第三弾が、今秋2日間にわたり江之浦測候所で開催されることが決定しました。
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今年は、大友良英が2005年に立ち上げたアジアン・ミーティングの20周年を記念した特別ライブとなります。出演者には、大友良英が2008年に結成した音楽ユニット「Far East Network(FEN)」のオリジナルメンバー3名:リュウ・ハンキル(韓国)、ヤン・ジュン(中国)、ユエン・チーワイ(シンガポール)に加え、コック・シューワイ(マレーシア)、そして昨年も出演したシェリル・オン(シンガポール)、さらに国内から大友の盟友である多彩なアーティストが参加します。
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PHOTOGRAPHER: Timothée Lambrecq
©Odawara Art Foundation
小田原文化財団 江之浦測候所について
現代美術作家・杉本博司が構想から20年の歳月をかけ2017年に開館した「小田原文化財団 江之浦測候所」。類い稀なる景観を保持し、四季折々の変化を肌で感じることができる壮大なランドスケープは、ギャラリー棟、野外の舞台、茶室などで構成され、人類とアートの起源に立ち返り、国内外へ伝統芸能から現代アートまで幅広い文化芸術を発信していくことをミッションとしています。パフォーミングアーツの公演も数多くプロデュースするほか、ティノ・セーガル、クリスチャン・マークレーなどを招聘し、江之浦測候所の景観を活かしたアートプロジェクトを展開しています。
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©Odawara Art Foundation
ONBEATが注目するポイント
■江之浦測候所から響き渡る、アジアの新たな潮流。大友良英『MUSICS』が探る音楽の根源と未来
現代美術作家・杉本博司が手がけた壮大なランドスケープ「江之浦測候所」を舞台に、音楽家・大友良英による実験的なプロジェクト「MUSICS あるいは複数の音楽たち」が、今秋再び開催されます。単なる音楽パフォーマンスに留まらず、毎回異なるメンバーと共に音楽の根源を探るこの試みは、精神と深く共鳴します。特に注目すべきは、第三弾となる今回が、大友氏が2005年に立ち上げた「アジアン・ミーティング」の20周年を記念したスペシャルライブであるという点です。
■アジアの音楽家たちとの再会が生み出す「狼煙」
大友氏はステートメントで、「今の混沌とした世界状況だからこそ、再びアジアン・ミーティングをやる必要がある」と力強く語ります。その言葉通り、今回は韓国のリュウ・ハンキル、中国のヤン・ジュン、シンガポールのユエン・チーワイといった、彼が結成したユニット「Far East Network (FEN)」のオリジナルメンバーが集結。さらにマレーシアやシンガポール、そして国内から多彩なアーティストが加わり、アジア各国の演奏家と日本の演奏家が交差する、まさに文化の交差点とも言える場が生まれます。コロナ禍を経て、再びアジアの音楽家たちと共にこの江之浦の地で「再開の狼煙をあげたい」という大友氏の想いです。それは、国境やジャンルを超え、それぞれの文化的背景が重なり合うことで生まれる、有機的かつ革新的な表現そのものと言えるでしょう。
■舞台はアートと自然が融合する「江之浦測候所」
会場となる「小田原文化財団 江之浦測候所」は、それ自体がアート作品であり、人類とアートの起源に立ち返ることをミッションの一つとしています。四季折々の自然のうつろいと、人類の歴史や時の流れを体感できるこの場所で、即興演奏を主体とする音楽がどのように響き渡るのでしょうか。それは、建築、自然、そして音楽という境界のない表現が一体となる、またとない体験となるに違いありません。
20年にわたるアジアの音楽家たちとの交流の集大成として、そして新たな未来への狼煙として開催される今回の「MUSICS」。音楽のジャンルはもちろん、国籍や世代を超えたアーティストたちが、江之浦という特別な場所でセッションを繰り広げるこの2日間は、音楽ファンだけでなく、あらゆる表現の可能性に触れたいと願う人にとって、必見のイベントとなるでしょう。
開催概要
~ アジアン・ミーティング20周年記念スペシャル ~
大友良英MUSICSあるいは複数の音楽たち その3
日程: 2025年11月2日(日)・3日(月・祝)
時間: 13:20 開場 (13:45 開演予定)
会場: 小田原文化財団 江之浦測候所(神奈川県小田原市江之浦362-1)
主催: 公益財団法人小田原文化財団
チケット: 9,900円(江之浦測候所入館料含む)
チケット発売日: 9月12日(金)10時~
交通アクセス: JR東海道線根府川駅より無料送迎バスを随時運行
行き:根府川駅発 12:40~13:15の間
帰り:江之浦測候所発 16:20~
<出演者>
大友良英(percussion, objects)
[ゲストアーティスト](予定)
リュウ・ハンキル(electronics)、ヤン・ジュン(objects, voice)、ユエン・チーワイ(electronics)、コック・シューワイ(voice)、シェリル・オン(percussion)、吉増剛造(poet)、山崎阿弥(voice)、Sachiko M(objects)、松本一哉(percussion, objects)、石原雄治(percussion)、高岡大祐(tuba)、本藤美咲(sax/11月3日のみ)
※ゲストアーティストに関する最新情報は小田原文化財団公式HPにて随時お知らせいたします。
公式ウェブサイト: https://www.odawara-af.com/
大友良英 ステートメント
| 今年のMUSICSはアジア各国の演奏家と日本の演奏家が交差する場を目指します。 2005年にわたくし大友良英が自主企画で始めたアジアン・ミーティングが今年で20周年を迎えます。はじめは小さな企画だったものが、DJ sniffやユエン・チーワイといったアジア各地の音楽家の協力を得て大きな輪となり、様々なライブやフェス、イベントがアジアの各都市で開かれてきました。コロナ禍で一旦止まってしまいましたが、20周年を迎えた今こそ、そして今の混沌とした世界状況だからこそ、再びアジアン・ミーティングをやる必要があるとわたしは強く思っています。おそらく来年以降はアジア各地の音楽家たちの手で新たなアジアン・ミーティングが始まると思いますが、その前に、わたしの手でもう一度、長い付き合いのアジア各地のメンバーたちとともに、22年からMUSICSというイベントをやっているこの江之浦測候所で、再開の狼煙をあげたいとおもいます。 |
Photo: Peter_Gannushkin |









