sync株式会社ギャラリースペース sync public にて
沼田愛実個展「Sky Pocket」が開催中

文=ONBEAT編集部、写真=藤田紘那

作品の前で解説を行う沼田愛実

 

商空間、住空間、オフィスなど幅広い領域の施工業務を中心に、意匠設計、設備設計、テナントリーシングなどを手掛けるインテリア総合デザイン施工会社、sync株式会社

同社は、自分たちの手掛けたさまざまな物件にもアートやデザインが調和する空間を落とし込みたい、という思いのもとアーティスト支援にも力を入れており、2024年6月に実施した東京・青山へのオフィス移転を機に、オフィス内にギャラリースペース sync public を設置した。

オフィスの空間デザインを担当したのは、先進的なオフィスを数多く手掛けている DE-SIGN。またプロデュースを DESINART 代表取締役でもある、株式会社ミルデザインの青木昭夫が務めている。
DE-SIGN の今村剛は、「ここを世の中との接点を持てる場所にしたい」という sync の希望を受け、プライベート性の高いオフィスという空間にグラフィックを施したガラス壁などを採用することによりパブリック性も持たせるよう工夫したと語る。

株式会社ミルデザイン 青木氏  / sync株式会社 鮎川三郎氏
アーティスト 沼田氏
DE-SIGN 今村氏

 

オフィス内はイギリスのデザインユニット Barber Osgerby によるデザインの B&B Italia「Tobi-Ishi(セメントグラウト)」や、デンマーク拠点のデザイナー Zsuzsanna Horvath が手掛け日本初の展開となる LUCEPLAN のペンダントライト「Illan」などの最新プロダクトをインテリアに落とし込んだ、洗練された空間となっている。

Barber Osgerby がデザインした B&B Italia のテーブル Tobi-Ishi

Zsuzsanna Horvath がデザインした LUCEPLAN のペンダントライト Illan

 

この sync の新しいオフィスに併設されたギャラリースペース sync public にて、2024年10月16日(水)~10月27日(日)まで沼田愛実の個展「Sky Pocket」が開催されている。

沼田愛実は、東京藝術大学大学院を経て東京アメリカンクラブなどでも個展を行い近年注目されている画家。地図や静物をモチーフに、人生をひとつの旅路と捉えたストーリー性のある絵画制作を行っており、現在は地元山口県萩市を拠点としている。もともとはモノクロ基調の作品群を制作していたが、地元で自然の雄弁さを感じながら制作するなかで、「空」をコンセプトとした色彩豊かな新シリーズが生まれた。
今回の個展では、この新シリーズから、コミッションワークとして制作された東京の街を描いた大型作品も展示される。また、コミッションワーク以外の作品は販売も行っている。

沼田愛実 コミッションワーク

沼田愛実《The Sunset Lullaby》(2024) 地図部分にはさまざまな国の言語で夜の挨拶が書き込まれている

沼田愛実《After the Storm》(2024)

沼田愛実《Sky Pocket》(2024)

 

沼田愛実《Golden Orbit》(2024) 地図部分にはさまざまな国の言語で門出を祝う言葉が書き込まれている

作品解説を行う沼田氏

また、沼田の色彩豊かな美しい作品とも調和する、穏やかで美しいピアノの旋律が特徴の会場内BGMは、作曲家・サウンドデザイナーの畑中正人が担当している。

DE-SIGN の監修によってパブリック性とプライベート性が絶妙なバランスで実現された sync 株式会社のオフィスと、そのアートスペースで展示されている美しい空と街の情景を、この機会に是非ご覧いただきたい。

沼田愛実 × sync 株式会社「Sky Pocket」開催概要

展覧会:Sky Pocket
アーティスト:沼田愛実
会期:2024年10月16日(水)~10月27日(日)
営業時間:10:00~18:00
会場:sync public(sync株式会社内)
住所:東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館1階