「五浦 幽谷隠田跡温泉」と「チームラボ 幽谷隠田跡」を
北茨城市・五浦にオープン

文=ONBEAT編集部、写真=クレジットのないものは藤田紘那

チームラボ《隠田跡》、《幽谷の呼応する森》(チームラボ 幽谷隠田跡)

 

チームラボのアートと自然が融合した、源泉掛け流し温泉付きグランピング施設「五浦 幽谷隠田跡温泉」が2024年9月30日(月)、茨城県北茨城市・五浦にオープンした。「五浦 幽谷隠田跡温泉」は、株式会社創輝が展開するグランピング施設であり、チームラボによるアートの世界に没入しながら自然の中で宿泊することができる。

チームラボは、集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。

2棟のコテージ、20張のテントがあるグランピングエリアを含む広大な敷地を誇る「五浦 幽谷隠田跡温泉」。その外周の森の中に夜の森のミュージアム「チームラボ 幽谷隠田跡」がある。「チームラボ 幽谷隠田跡」は、グランピング施設に宿泊しない場合でも体験することができる。

今回は「五浦 幽谷隠田跡温泉」の施設と「チームラボ 幽谷隠田跡」で体験できる作品について紹介していく。

森に囲まれたグランピング

森に囲まれた谷に位置し、自然と一体化したような時間を過ごすことができるグランピングエリア。
テントは谷の起伏を活かしながら木製デッキを用意しその上に立てることで、自然と調和しながらも過ごしやすい水平面を実現している。
テントは、天井が高く広々としていて、多数設置された小窓により優れた通気性を備えた開放感のある大型コットンテントのバナヘイムテントと、ユニークなデザインの大型コットンテントにプライベート空間を味わえる小型コットンテントが合わさったミッドガルドテントの2種類がある(どちらも定員は2~4名)。

五浦 幽谷隠田跡温泉 グランピングエリア バナヘイムテント

テント内部 白を貴重に清潔感と温かみのある内装となっている

テント内部 ソファに座って談笑したりくつろぐことができる

グランピングアエリア風景

焚き火エリア

近年地面の上で焚き火をする「直火」を禁止しているキャンプ・グランピング施設が増えている中、「五浦 幽谷隠田跡温泉」ではグランピングエリア横に地面の上に石で組んだ焚火炉を設置した「焚き火エリア」を完備しており、焚き火台なしで焚き火をすることができる。
焚き火を眺めたりその音に耳を傾けることでリラックス効果が得られることはよく知られており、焚き火は屋外活動の中でも非常に人気のあるアクテビティだ。この焚き火エリアはこの施設における大きな魅力の一つとなっている。

焚き火エリア 焚火炉

森のふもとのコテージ

森のふもとに建てられた2棟のコテージ。外観は、森の立体感を強調するようにあえて平面的なデザインとし、景色にコントラストを与えている。
それぞれ2階建てで、1階にはリビング、ベッドルーム、半屋外の温泉、屋外デッキを備えている。また2階にはもうひとつのベッドルームの他、特別な部屋《天地無分別》があり、この部屋もまたこの施設の大きな魅力の一つだろう。
《天地無分別》は三角窓(写真「森のふもとのコテージ 外観」の二階部分の窓を参照)を取り囲む床や壁を鏡張りにすることで、外の景色が屋内に無限に広がっていく効果を生み出している特別な部屋だ。昼間は太陽光で輝く森が、夜はチームラボによって作品化された森が広がり、非日常的な空間を楽しむことができる(定員は2~6名)。

森のふもとのコテージ 外観

森のふもとのコテージ 2階特別な部屋《天地無分別》

森のふもとのコテージ リビング

食事

「五浦 幽谷隠田跡温泉」で提供されるのは、地元の人気レストランのシェフによる、従来のグランピングとは一線を画した料理だ。地元北茨城で穫れた新鮮な海産物や野菜を使用している。また、オプションで追加注文も可能で、常陸牛や季節の海産物などが用意されている。
森に囲まれて自然の中で、選りすぐりの食材からなる料理をゆっくりと味わうのはまた格別な体験だ。

食事 プレミアム海鮮BBQ

食事 参鶏湯

食事を楽しめるグランピングエリアデッキ

温泉

源泉掛け流し温泉には、内湯と外湯があり、内湯は男女別、外湯は水着着用で男女共通となっている。
男女共通の外湯では、夜には隠田跡にランプが浮かぶチームラボの作品と一体となって温泉を楽しむことが出来、スマートフォンなどを持ち込んでの写真撮影も可能となっている。利用時間は午前は7:00~9:00、午後は15:00~24:00となっている。

グランピング施設宿泊プラン
宿泊プラン 金額(1人あたり)
【1泊2食付】森のふもとの2階建てコテージ/プレミアム海鮮BBQと参鶏湯の朝食付き 36,300円~
【1泊2食付】森の中のグランピング/プレミアム海鮮BBQと参鶏湯の朝食付き 25,300円~
【朝食付き】森の中のグランピング/源泉かけ流し温泉と参鶏湯の朝食付き 20,900円~
【素泊まり】森の中のグランピング/棚田跡と一体の源泉かけ流し温泉(お食事なし) 18,700円~
<施設情報>

名称:五浦幽谷隠田跡温泉
住所:〒319-1702 茨城県北茨城市大津町2132番地
電話番号:0293-24-5251(10:00 – 17:00)

チームラボ 幽谷隠田跡

チームラボが手掛ける夜の森のミュージアム「チームラボ 幽谷隠田跡」は、奥深い森に隠された谷の棚田跡を、森と一体となった作品空間にしたアート展。「自然が自然のままアートになる」というコンセプトのもとチームラボが行ってきたプロジェクト「Digitized Nature」の一環でもある。

光と音というデジタルテクノロジーが彩る自然の森は、ただ幻想的というだけでなく、それらの光や音の効果によって、自然という長い歴史を持つ存在の中に自分や自分以外の人、動物の存在を感じ取ることができるようになっている。

10月8日(火)からは、新たに《海が立ち上がる時花が咲く – 五浦の海》と《連続する生命の痕跡》の2作品が公開されている。

グランビング施設に宿泊しない人でも鑑賞が可能。

チームラボ《隠田跡》、《隠田跡の水鏡の道》、《幽谷の呼応する森》teamLab, 2024, Interactive Digital Installation 自分が立っている足元と前後のランプが光り、水の上を歩いているような体験ができる

チームラボ《海が立ち上がる時花が咲く – 五浦の海》teamLab, 2021/2024, Digitized Nature, Sound: Hideaki Takahashi 波が生まれた時、花が咲く

チームラボ《タブノキに宿る呼応する宇宙》teamLab, 2024, Interactive Installation, LED, Sound: Hideaki Takahashi 人が近づくと一番近くの球体が輝き音を響かせ、それに他の球体たちも次々と呼応し輝き音を響かせる

チームラボ《幽谷の呼応する森》teamLab, 2014/2014, Interactive Digitized Nature, Sound: Hideaki Takahashi 人や動物が近づくと木が光り音を響かせ、周りの木もそれに呼応する。光が向こうから来た場合は、向こうに人や動物がいるということを意味する

チームラボ《具象と抽象》teamLab, 2018/2024, Interactive Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi

チームラボ《連続する軌跡》teamLab, 2018/2024, Digital Nature, Sound: Hideaki Takahashi 空間に書く書「空書」が、平面と立体との間を行き来する

 

五浦の山の深い森を抜けた谷に広がっていた天水棚田の跡をまるごと作品空間にした「チームラボ 幽谷隠田跡」。
自然とアートの関係を見つめ、人間だけでは作れなかった新たな認知を自然から得られると考えるチームラボによるアート空間をゆっくりと歩きながら、長い歴史を持つ自然とその連続性の上にいる自身の存在に思いを巡らせてみてはいかがだろうか。

<会場情報>
会場:チームラボ 幽谷隠田跡
(五浦 幽谷隠田跡温泉 茨城県北茨城市大津町2132番地)
会期:2024年9月30日(月)~常設
開館時間:
9.30(月) -10.25(金) 18:00 – 22:00
10.26(土) -10.31(木) 17:30 – 22:00
11.1(金) -11.30(土) 17:30 – 21:00
* 時間は季節によって変動。* 最終入場は終了時刻の30分前まで
休館:第一火曜日、10/7(月)、11/5(火)