「月百姿×百段階段 ~五感で愉しむ月めぐり~」
ホテル雅叙園東京にて開催中!
文=ONBEAT編集部、写真=藤田紘那
その長きにわたる歴史と、芸術家による壁画や天井画、彫刻などの館内装飾で名高いホテル雅叙園東京(旧目黒雅叙園)。かつて「昭和の龍宮城」と呼ばれた目黒雅叙園の3号館にあたり、このホテルで現存する唯一の木造建築「百段階段」にて、2024年10月5日(土)~12月1日(日)まで、「月百姿×百段階段 ~五感で愉しむ月めぐり~」が開催されている。
この展覧会では、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・月岡芳年が月にちなんださまざまなモチーフを描いたシリーズ「月百姿」より20点を前後期に分けて展示するとともに、現代の作家たちによる月をモチーフにした作品が展示されている。
月岡芳年「月百姿」
月岡芳年(1839~1892)は、幕末・明治期に活躍した浮世絵師。12歳で当時の人気浮世絵師・歌川国芳に入門し、「芳年」の名を与えられ、15歳の若さで画壇デビューした。師である国芳の自由な発想を継承しつつ、伝統的な浮世絵に西洋の写実主義を加味し、幕末から明治へと移り変わる時代の中で鮮烈な作品を次々と生み出し、「最後の浮世絵師」とも称された。ストーリー性豊かな画面や大胆な構図、鮮やかな色彩は、時代を超えた高い芸術性を有し、現代の私たちをも魅了し続けている作家だ。
そんな芳年の「月百姿」は、彼が47歳から54歳までに制作した百枚の揃物で、日本や中国の逸話、歴史上の出来事、和歌、謡曲、伝説上の人物などを題材として、古代から江戸時代までの様々な月にまつわる場面が描かれている。『源氏物語』や『竹取物語』など馴染み深いテーマにちなんだものから、妖怪や幽霊が登場するもの、歴史に名を刻んだ武将、絶世の美女など、バラエティに飛んだ作品は、写実的でありながらも神秘的で幻想的な雰囲気をたたえ、芳年の晩年の集大成ともいわれている作品群だ。
現代の作家たちによる作品
「月百姿」からの20点の他、現代の作家たちによる作品も東京都指定有形文化財「百段階段」を彩っている。
浮世絵に描かれた月が目の前に現れたような空間や、ダイナミックな月アートと建築とのコラボレーションは、月にまつわる百花繚乱の没入感溢れる世界を体験させてくれる。
文化財「百段階段」を照らし出す今昔の月とともに、情緒豊な文化財でのお月見を楽しんでみてはいかがだろうか。
関連イベントや特典
▶チケット関連
着物特典
着物で来館の場合、ホテル内の月アートをモチーフにしたポストカードが贈呈される他、チケットを当日会場受付で購入の場合、入場料が当日券価格より200円値引きされる。
太田記念美術館との提携割引
2024年10月5日(土)~12月8日(日)までの期間中、太田記念美術館で同時期に開催される企画展「広重ブルー」との提携で、相互割引が実施されている。
片方の企画展の半券を、もう片方の企画展での当日会場受付時に提示すると値引きされる。
(詳細は、当記事「開催概要」最下部にある「詳細はこちら」ボタンより企画展HPへアクセスの上ご確認ください。)
▶お食事関連
着物ランチ
着物一式のレンタル、着付け、館内レストランでのランチ、展覧会の50%優待券のセット。着物は約100種類の中から選ぶことができるという。
期間:2024年10月5日(土)~12月1日(日)
料金:17,000円~
店舗:中国料理「旬遊紀」、日本料理「渡風亭」など計5店舗
詳細:https://www.hotelgajoen-tokyo.com/archives/82462
月アフタヌーンティー
展覧会に合わせて用意された、月をテーマに深まる空きをイメージしたメニューが楽しめる。
期間:2024年10月5日(土)~11月15日(金)
時間:15:00-17:30(L.O.)
料金:6,600円(その他オプションあり)
詳細:https://www.hotelgajoen-tokyo.com/archives/66157
ランチセット
展覧会と館内レストランでの食事(ランチかアフタヌーンティー)のセット。
期間:2024年10月5日(土)~12月1日(日)
店舗:中国料理「旬遊紀」、日本料理「渡風亭」など計5店舗
料金:4,400円~
詳細:https://www.hotelgajoen-tokyo.com/archives/99315
開催概要
会期:2024年10月5日(土)~12月1日(日)
[前期: 10月5日(土)~11月4日(月振休) / 後期: 11月6日(水)~12月1日(日)]
時間:11:00~18:00(最終入館17:30)
会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
料金:一般 1,600円、大学生・高校生 1,000円、中学生・小学生 800円