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YAS-KAZ

より
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土方巽舞踏団や、「山海塾」の為の音楽作曲、ウェインショーターとの共演等で成功を収め、国内外の音楽フェスティバル等に多数出演、国際的に高い評価を得ているミュージシャンYAS-KAZ 。ジャズや現代音楽、世界中の民族音楽、生物の音声等の探求を通じて、広範なテリトリーを脱ジャンルし続けるサウンドクリエイターである。その音楽により、各界の注目を浴びるYAS-KAZ氏を彼のスタジオ兼自宅に訪ねた。

「音楽にならない音ってないんじゃないかな。全体の中に必ず居場所というか、響き場所がある。」

— YAS-KAZ さんの1枚目のソロアルバム『縄文頌』(’84)の一曲目、「序章~吐息の門 (Prelude – The Gate of Breathing)」は、循環する自然の“始まりの音”というか、母胎内の安らかさを想像させるサウンドですね。

なるほど。自分でそう意識して作った訳ではありませんが。

— あの曲の旋律を奏でている楽器は何ですか?

ツィンバロムという、ハンガリーやルーマニアなど東欧・中欧で使われている打弦楽器です。ツィンバロムは、サントゥールというペルシャ起源の楽器がヨーロッパに伝わり変化したもので、現在のピアノの原型とも言われています。そのツィンバロムを使って、技巧的にはバリ島の音楽システムに近いことをしました。

— 続く2曲目「Jungle Book」はそのタイトル通り、ジャングルの環境音を楽器で再現していますね。どんな経緯で自然の音そのものに“音楽”としての魅力を感じるようになったのですか?

土方巽さん(暗黒舞踏を確立した舞踏家)の舞台『静かな家』(’73)の音楽を担当した時には、録音した生物の声をコラージュして、生物の声だけで2曲作りました。当時は、「新たな表現方法を発見して、新しい音楽をやりたい」と思っていました。それで“物が持っている響きやリズムを取り出す”、“自然の声を聞く”という所まで立ち返ったんです。そもそもドラムセット自体を「うるさい楽器だな」と感じて、その構造上のシステムに縛られるのも嫌になったので、一度ドラムセットを全部解体して、打楽器へのアプローチを根本から変えました。
それで、身の回りの色々な物を叩いて音色を探っているうちに、生物の声の音色や情報量にも凄く魅かれていき、随分実験しました。(修正)人間の中にも、積み重なった遺伝子の記憶として、虫の領域があるでしょう? ただ、虫の世界そのものに耽溺していくと、あちらの世界に行ったまま戻れなくなりそうなので、ポン! と音を叩いてそれに拮抗するというか、バランスを取っていた感じでしたね(笑)。

— 凄い世界ですね(笑)。ただ確かに、YAS-KAZさんの楽曲を聴いていると異界とつながっている様に感じる瞬間があります。YAS-KAZさんは現代人が聞き逃している音を感じ取っているんですね。

『万葉集』や『古今和歌集』等の和歌にも、虫や鳥の声ってときどき詠われていますよね。ヨーロッパの人が虫の声を聞いても、それはただのノイズでしょうけど、本来、日本人には自然の音を愛でる感性があるみたいですよね。

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YAS-KAZ 公式WEBサイト http://www.yas-kaz.com/
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