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三宅一生

三宅一生氏が活動を開始した1970年から現在に至る仕事を紹介する大規模な展覧会「MIYAKE ISSEY展 : 三宅一生の仕事国立新美術館で好評開催中だ。コレクションや展覧会等、三宅一生のすべての活動に携わり、プロダクトのクリエイティブ・ディレクションも手がける北村みどり氏に話を聞いた。

三宅一生展覧会場
MIYAKE ISSEY EXHIBITION: The Work of Miyake Issey 写真51貢:国立新美術館「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」 展示風景 撮影:吉村昌也

北村みどりインタビュー

藤田:先日、ノーベル賞を受賞された大村智教授にインタビューをした際に陶芸の話になり、大村教授は「どういう形になるか最初からわかっているような物よりも、人間の技と火が作る偶然性によって生まれる、そういう物が好きだ」と仰られたんです。偶然性まで取り込んだ表現に面白さがあるという大村教授の考えと、「服自体が着る人によって一体一体違うものになる」ということを前提とした一生さんの服作りの考えは同じだと感じました。

北村:そうですね。「着る人が最後の仕上げを作る」という点は、三宅の最も望むところです。

藤田:また、日本の伝統的絵画の特徴として、一本の線による表現の豊かさがあげられると思いますが、一生さんの「一枚の布で服を作る」というコンセプトには、ラインの美しさの追求、シンプルさの追求という点で共通の美意識を感じます。

北村:三宅の4 5 年間のプロセスは、全て最初のコンセプト「一枚の布で服を作る」からつながっています。それがどんな広がりを持つのかを見ていただくのが今回の展覧会です。うちはサンプルも全部取ってあるのですが、これは世界的に見ても本当に珍しい。その結果、こういう展覧会もできている訳ですから、最初から(継続することを念頭において)ストックしておいた三宅の考え方がすごいなと思います。

藤田:国際的な活動をず っとされてきた 一生さんが、今回は日本の人たちに、自分の やってきたことを通じてデザインの
力を伝えたいという前向きな意志を感じています。決して回顧展ではないですよね。

北村:そうですね。三宅は今回の展覧会で、「今、いろんなことが起こっていますが、そういうことに負けずに人間は頑張って、楽しんで、こういうものを愛しているんだ」ということも言いたいんでしょうね。でも決して難しい展覧会ではないので、子どもも大人も楽しく見ていただいて、何か考えていただけたら素晴らしいなと思います。

藤田:一生さんは、日本に国立のデザイン美術館を作ろうという運動をされていますが、そこにつながる強い思いを感じます。

北村:そうですね、本当に。世界各国からデザインミ ュージアムを訪れた方が、日本人のデザインの素晴らしさを感じてくれ、また我々自身にとっても日本人の成り立ちが 見える、そして若い人たちが 勉強もできる。そういう場所を作ろうという事で今運動しているんです。(中略)実際、三宅は本当にものを真面目に作っていることは確かです。ご覧いただいたらわかると思いますけど、本当に素晴らしいと思います。このぐらいにしておこうという妥協はないです。社員が得していますね。学費払わないでお給料をもらって良いお勉強させてもらって(笑)。

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三宅一生作品2