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縄文美術

国宝 火焰型土器 新潟県十日町市 笹山遺跡出土
新潟・十日町市蔵(十日町市博物館保管)

文 = サイモン・ケイナー(セインズベリー日本藝術研究所 統括役所長)

今、「縄文」が熱い。縄文土器や土偶は東京国立博物館で鎮座するかと思えば、新幹線の車内誌の表紙を飾り、縄文時代の首都を探そうとする試みが全国各地で繰り広げられている。縄文時代を外から研究して早や30 年が経つが、これほどまでに「縄文」が脚光を浴びたことは、いまだかつてなかったように思う。なぜ今になって人々の関心を集めているのか。これまでの縄文研究を簡単に紹介しながら、その謎に迫りたい。

そもそも「縄文」の名が初めて知られようになったのは、今からおよそ140 年前のこと。大森貝塚で日本初の科学的な発掘調査を行ったアメリカ人動物学者エドワード・S・モースが、調査報告書(英文)の中で、発掘した土器を「cord marked pottery(縄文様の入った土器)」と記したことに端を発する。モースの発掘以来、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地で縄文時代の遺跡が見つかり、土器や土偶、石器、骨角器(動物の骨などでつくられた道具)、木器、漆で加工された品々、籠類などの重要な考古資料が出土している。
さらに、土器にわずかに残る食料の科学的分析や縄文人の遺骨から採取したDNA 分析により、縄文人は狩猟採集民族であるにも関わらず、同じ場所に何千年も定住し、高度な物質文化を築き、豊かな生活を送る民族だったことが明らかになった。中でも、1999 年に大平山元遺跡(青森県)で発掘された土器は、放射性炭素年代測定法の算定により15000 年前につくられた土器であることが判明し、世界を驚かす。それまでの縄文時代の時代区分の定説を覆したばかりか、世界最古の土器であることをも証明したのである。こうした縄文研究を受け、全国の博物館や遺跡公園では、最新技術を取り入れた展示方法で「縄文」を紹介するようになった。

縄文に人々の関心が集まる契機となったのは、約5500 年~4000 年前の集落跡が青森市三内で発見されたことだろう。

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特別展 「縄文─ 1万年の美の鼓動」会期終了
主催:東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
協賛:凸版印刷
協力:文化庁、国際交流基金、大塚オーミ陶業、
大塚国際美術館、日本児童教育振興財団
会期:7月3日(火)~9月2日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
http://jomon-kodo.jp/

国宝 土偶 合掌土偶 青森県八戸市 風張1遺跡出土
青森・八戸市蔵(八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館保管)