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安倍昭恵×笠原清志

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花束で迎える子どもたち

安倍昭恵首相夫人が支援を続けるミャンマーの寺子屋教育を議題に、昭恵夫人と夫人の恩師である笠原清志教授との子弟対談が首相官邸で行われた。充実した対話の模様をノーカットで紹介する。

注目が集まるミャンマーの寺子屋制度

1)子ども達に人生を切り開く可能性を与える

笠原清志教授(以下、「笠原」):昭恵さんの場合、今までの日本のファーストレディとは違ったいろいろなチャリティーやボランティアの活動をなさっていると思いますが、なぜチャリティーやボランティアに興味を持ち、そういう活動に入られたんでしょうか。

安倍昭恵夫人(以下、「安倍」):今までの総理夫人もそれぞれに活動されていますので、私だけが一生懸命チャリテ ィーをやっているというつもりは全然ないです。たまたまソーシャルメディアであったりとか、何かにつけてマスコミが取り上げてくださったりするお陰で、ちょっと目立っているのかなという気がします。私はキリスト教の学校で育っているので、学校行事やカリキュラムの中でボランティアに参加したりという経緯がありました。勉強は嫌いだったんですけど、意外とそういう活動は好きでしたので、現在このような立場で乳児院、老人施設や障がい者施設に行ったりしても、とまどうことなく接することができました。学生時代の経験が、やはり大きいのかなと思います。
また、曽野綾子先生が日本財団の会長だった時に、アフリカに連れて行っていただいて、実際に貧困層の子ども達に接する機会をいただきました。私は子どもがいないということもあって、何か子ども達のために支援をすることができないかなという思いはずっと持っていました。アフリカは遠いので、アジアで子ども達のために、それも教育支援ができたらいいなというように思ったのが、ミャンマーでの教育支援に関わるようになったきっかけです。

笠原:私もミャンマーの寺子屋制度には興味がありましたので、昭恵さんとご一緒したり、その後、何回か訪問する機会がありました。ミャンマーの寺子屋制度というのは、学校に行けない子ども達とか、学校があっても2時間歩かなければ行けないようなところに住んでいる子ども達に教育の機会を提供しているという点で、本当に素晴らしい制度だと思います。現地で支援なさっていて、どういう印象をお持ちですか?

安倍:実際に行ってみると非常に良い国でした。日本と同じ仏教国ですし、親日的でもあります。当時は軍事政権であったため、外から見るとちょっと怖い国のように見えていたのですが、実際に中に入ってみると、安心して街を歩ける、とても落ち着いた良い国だなという印象でした。しかし、寺子屋のあるような地域は本当に皆貧しくて、先生がおっしゃったように、公立の学校は遠い場所にしかないため、学校に通えない子ども達もいます。そういう中で、お寺が寺子屋という形でそうした子ども達の教育を担ってきたものですが、それが長い歴史を経て未だに続いているというのは本当にすごいことだと思います。
それから、寺子屋自体の意味もかなり大きくて、公立の学校に行けるような所に住んでいたり、ある程度経済的余裕のある家庭でも、あえて寺子屋に子どもを入れる親がいるというのも、他の国とは違ったミャンマーの特徴なのかなと思いました。

笠原:そうですね。ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン教授が、「初等教育を受けられないと、その子どもは自らの職業選択が制約されて、親の貧困が子どもの世代に再生産される」という趣旨のことを言っています。私もその通りだなと思います。日本の近代化のプロセスでは、江戸時代からの寺子屋文化が明治時代にも引き継がれ、明治政府が島や山の奥にまで分校を作って初等教育を充実させてきたことが、我が国の近代化に大きな役割を果たしてきたと思っています。それがミャンマーの場合は、仏教寺院の寺子屋制度を通じて今でもしっかり維持されているということが、非常に興味深いですね。

2)何のための支援なのかを問う

安倍:ミャンマーでは、皆がその地域のお坊さんに対して尊敬の念を持っていて、お坊さんも地域の人達も貧しいのだけれども、皆で学校を支えていこうとするコミュニティがあり、私はそれがすごく大事だと思っています。しかし、欧米型の大きな支援が入ってくることによって地域の人達がそこに依存してしまうと、そのコミュニティが壊れてしまい、「もうここは自分達で支え合わなくでもいいんだ」というふうになってしまう可能性もあります。そうすると、「何のための支援なのか?」ということになるので、私達はなるべくその依存体質を生まないような、自分達で自立していってもらうような支援をしていきたい思っています。支援というのは、実際にやってみると難しいんだなということを感じます。

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住職様と一緒に