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船越英一郎が語る手塚治虫

手塚作品が並ぶギャラリーオリムにて

 

「別格中の別格」の存在、手塚治虫の功績とその作品の芸術的価値について

三浦利雄(以降「三浦」):船越さんが手塚治虫と出会った作品は、やはり「鉄腕アトム」(以降「アトム」)ですか。

船越英一郎(以降「船越」):はい。出会いの作品はアトムです。間違いありません。三浦さんとは同年代ですから、大体似たような手塚体験をしているかもしれませんね。

三浦:そうですね。船越さんが一番お好きな手塚作品は何ですか?それから何かコレクションはされていますか?

船越:好きな作品については、もちろんアトムは別格として、「アドルフに告ぐ」、「火の鳥」、「ブッダ」といった青年向けの作品が好きです。残念ながらコレクションと呼べるほどの品物は所有していませんが、読み物としては、全集を手に入れた後、目についた作品をランダムに揃えていきました。本当は初版本で揃えたかったのですが、大変で諦めました(笑)。アニメ作品についてはDVDで発売されたものは、すべて買い集めています。

三浦:僕の場合は、18 年くらい前に有楽町界隈の骨董市で、手塚治虫のセル画が段ボール一箱5000 円で売られているのを偶然見つけて、それを購入したのが最初の手塚治虫コレクションです。一枚あたり500 円だったそのセル画が、今では50 万円です。

船越:むさぼるように買って、僕もコレクターになっていれば良かったと、今になってつくづく思いますね。

三浦:そのときはまだ、値上がりすると考えていた訳ではなく、ただ純粋に、絵描きとしての夢の途中で美術商になった自分に「一番尊敬できる絵描きは誰か」ということを自問したとき、手塚治虫しかいないと思ったからです。世界50 か国で作品が紹介されている画家など日本には他にいません。今では美術商としての立場から「手塚治虫は市場価値がある」と確信しています。こちらをご覧ください。ギャラリー所有の手塚作品の中でも大変貴重な、四国の製薬会社のカレンダー用に描かれた「リボンの騎士」です。カレンダー用なのでサイズも大きいですし、これまで一度も公開されたことがない逸品です。日本人はこのように特別に描かれた物を好む傾向がありますが、海外の方は漫画の原稿に価値を見いだします。「なんだ、原稿か」という反応を示す日本人とは対照的です。国際的な美術市場では手塚治虫の漫画原稿は作品として高く評価されており、出品されると高値で取り引きされます。2018 年6月にパリで開かれたオークションでは手塚治虫の漫画原稿が3500 万円で落札されました。

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