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池田学

rebirth

Rebirth

池田 学インタビュー

池田さんはペンを道具にまったく下書きなしで、あのラビリンスのような細密な空想世界を描いています。“ 描く”という行為を通して、自身の無意識の領域に入り込んで制作しているのかなと想像したのですが。

「無意識で制作」というと、時間を忘れるぐらいに没頭して制作するような印象を受けますが、僕の場合はむしろすごく考えて描いています。頭に思い描いた景色を具体的にするために、色々なことを整理しながら描いているというような感じで制作しています。

池田さんのユニークな作品と制作スタイルについて語るとき、必ず「超絶技巧」とか、「細部と全体」ということがテーマになりますね。

自分では技術的に特別上手いとは全く思っていません。僕よりもっと上手い人や、もっと奇抜なアイデアを持っている人はいっぱいいると思います。でも、個々のアイデアはそこまで面白くないかもしれないけど、それらを積み重ねて一つの世界の中にあるように見せる、なおかつ第三者の人にわかりやすく描く、というのは僕の強みかもしれないです。その上で最も大切にしているのは、その細部と全体の「調和感」や「全体感」です。


「細部と全体」ということで言えば、自然こそ、細部と全体が調和した世界だと思いますが、池田さんは、昆虫採集や魚釣りなどに熱中した幼少期から、ロッククライミングやスキーを趣味とされている現在まで、遊びを通して自然と常に向き合ってこられた印象を受けます。だからこそ、「細部と全体」を身体感覚で理解し、表現できるのかなと思ったのですが。

自然の中で遊んでいると、木の実だったり、石ころだったり、色々なものを目にします。するとそこから奇想天外な自然の形が目に飛び込んでくることがあるんです。それで「その形を大きくしたらどうなるのか」とか、「何か違うものと掛け合わせてみたらどうなるのか」など色々と頭の中で想像すると、絵のアイデアが少しずつ膨らんでいくのです。結局、自分の目が見た景色が絵に表れてくる訳で、自然と遊んでいるときの視点は、自分の絵にダイレクトに生きてきます。僕は人工的なものからアイデアを得るよりも、自然のものから色々なアイデアを得る方がはるかに大きいです。地元にいたころは、自然は身近なものだったのでさほど好きではなかったのですが、上京後は知らず知らずの内に蓄積してきた自然の記憶や興味などが一気に溢れ出てきたように感じます。

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興亡史1

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