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森田りえ子

金閣寺の方丈杉戸絵奉納 10 周年を記念して、地元京都で「いのち賛歌 森田りえ子展」を好評開催中の森田りえ子氏。「花の森田」とも呼ばれるが、昨年発表した「 KAWAII・GITAI」シリーズでは型にはまらない女性像を表現し画壇に新風を呼び込んだ「オンナマエ」作家、森田氏に話を聞いた。

森田りえ子作品1
KAWAII・GITAI「フルーツ」 2015 185.0×100.0cm  紙本岩彩

藤田:先生が 描く女性はというと、これがやっぱり、なんとも魅力的な美 女たちです。ただ先 生は、花も虫も人間もみな同じ自然の 一部と捉えているような感じがします。

森田:まさにそうです。仏教用語で「草木国土 悉皆成仏」という言葉があります。草も、木も、土も、私たちも、みんなが一緒のところで生活して成仏するんだよという意味ですが、写生をしていると、「同じ宇宙の中で、同時にみな真剣に生きているんだ」ということを肌で感じるんです。虫たちは真剣に花に群がって、蜜を吸って、受粉を助け、またその虫たちを求め、島や動物たちもやって来る…自然の中で花も鳥も昆虫も人も共に生きる一員だなぁって実感するのです。

藤田:描かれている女性たちからも、大地と繋がるパワー、産む性としての逞しさ、美しさを感じます。

森田:そうですね。母体ですね。マザーなんですよ。(中略)
描き終えたときは自分が抜け殻になります。全部作品に注ぎ込んで。鶴の恩返しみたいです(笑)。だから、「花の中で散歩した」なんて仰っていただけると嬉しいですね。私は花になったつもりで描いていますからね。それは、ある種「擬態」なんです。女優さんがいろんな役をするというのも一つの擬態だし、指揮者が指揮をする時に音楽と一体になっている感じも擬態だし。私が花や人物を描くときもそれになります。つまり擬態しているんです。

藤田:海外のことについてお聞きしたのは、実はこの「KAWAII・GITAI」(かわいい擬態)シリーズ(44頁、4 5 頁参照)を見た時に、「これこそ今、世界に向けて発信したい作品だ」と感じたからなんです。

森田:ありがとうございます。「サブカルチャーでありながら、伝統であり、古典を踏まえている」というのが、私の表現したいことです。

藤田:まさに。この作品を見たら説明いらないですね。正統派の日本画家でありながら、こういう作品を発表される、その振り幅が良いですね。今回の個展では、この「 KAWAII・GITAI」シリーズも京都で初お披露目となりますし、先生が描かれた金閣寺の方丈杉戸絵(4 2 頁、4 3 頁参照)も奉納 10 周年を記念して展示されますね。

森田:杉戸絵の実物は普段は金閣寺のお蔵にしまわれていて、表にはレプリカが出されているのですが、パリの個展以来久しぶりに一般公開されます。(この杉戸絵の材料は)樹齢 700 年の秋田杉だそうです。 7 0 0 年生きるというのは稀有な事なのに、ばっさりと切られてしまった。その命を私にゆだねられた訳だから、木の命とコラボする絵を描こうと考え、たくましい木目を大事にする構図で描きました。この度の個展では大学時代から今までの作品の中で特に思い出深いものを選んで約 1 2 0 点を発表しています。

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森田りえ子作品2
バリの踊り娘 1999 90.9×116.7cm 紙本岩彩