ONBEAT

Language
  • Facebook
  • RSS

松尾敏男

ブログ用松尾敏男作品1
MATSUO Toshio 松尾敏男 A Wind of Concord  コンコルドの風 2005 
Hiratsuka Museum of Art 平塚市美術館蔵

私は昭和21年、戦後初めての院展から出品するようになりました。初入選は昭和24年の第三十四回院展。ここで問題が起きました。当時は入選者懇親会がありまして、私たちは和気藹々とお祝いをしておりました所、大観先生がすっと立ち上がり、片手に一合瓶を持ち、こちらにいらしたんです。そして、私の隣に座っていた方の前に座りました。その方は昔、院展に謀反をおこし、後に戻ってきた方です。そして大観先生は、「君、よく帰ってきたね」と仰って、その一合瓶を差し出されてその方のお茶碗に注いで、すっと立ち上がって戻られたんです。その瞬間、私は初めて大観先生のお姿を拝見し、お声を聴きましたが、そういった所に明治の方の心の大きさというものをつくづく感じました。「やはり大観先生は良い人だな」という事を強く感じました。私が日本画の勉強を始めるにあたって、非常に強く印象に残った大観先生の言葉がございました。それは、「絵には宇宙が無いといけない」。作品には宇宙が無くてはならないという事を仰っていました。「なるほどな」と私は思いました。そうやって見ると、確かに大観先生の絵には宇宙があり、何を描かれても奥に大きな広がりと言いますか、大きな空を感じる。今回の展覧会でも大観先生の富士山が並んでおりますけれども、大観と言えば富士山ですね。その富士山が、たとえ見えないはずの富士山を描かれたとしても、そこには大きな世界観が流れていて、ひとつも不自然でない。これは正に、大観先生がご自身の宇宙を、富士山によって表そうとなさっているのではないかなと思います。そういう思いで作品を見るものですから、いつでも心の中に「絵には宇宙が無いといけない」という言葉が 残っておりまして、どうしたら自分の絵の中に宇宙を生み出す事が出来るのかと思っております。

ブログ用松尾敏男作品2
MATSUO Toshio 松尾敏男 Inspiration of the Sarnath  サルナート想 1978 
Japan Art Academy 日本芸術院蔵

続きは AMAZONでご購入ください