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ナジルン

より
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この秋、東京ミヅマアートギャラリーに於いてインドネシアの現代アートシーンを代表する作家、ナジルンの個展「 The Breath of NASIRUN - 伝統の変容」が開催された。我々の感性を深く揺さぶるナジルンの芸術世界をここに紹介する。

ナジルン展に寄せて エグゼクティブ ディレクター 三潴末雄

アジア最大のイスラム国であるインドネシア。その中でバリ島は土着のアニミズム的な信仰を習合した独特のヒンドゥー文化圏を守り抜い
てきた。バリは日本にも似た多神教的な風土を特徴としている。彼らが育んできた土俗と洗練が両立する絵画表現やガムラン音楽といった芸術文化もまた、日本の浮世絵と同じように19世紀末の万博でヨーロッパに紹介されて衝撃をもたらし、シュルレアリスム運動などの現代芸術に影響をもたらした。こうした脈絡から育まれて来たインドネシアの作家たちの現代絵画もまた、非常にエキサイティングなせめぎ合いの迫力に満ちている。インドネシア の現代アートは実に魅力的だ。そのアートシーンは熱く、アーティストの層も厚い。その中でもナジルンの作品は、一見エスニックで典型的なバリ、ヒンドゥーの宗教画のように見える。ところがナジルンは宗教には関心がないと言う。だから、ヒンドゥーの神学大系の中でどの神が偉いとかいうことではなく、人間が持つ信仰のスピリチュアルな動きそのものを作品にしようとしている。この様に伝統と対峙する姿勢が、独自のエスニックな具象をともなって、インドネシアではモダンな表現になっているのが面白い。今回、東京のミヅマアートギャラリーでインドネシア の現代絵画の代表的な作家の一人であるナジルンの展覧会を開催出来るのは大変嬉
しい。日本の多くのアートファンの方々にナジルンの作品を紹介出来る機会を与えられた事を感謝したい。

ナジルンは近代インドネシアンアートの四大巨匠の生まれ変わりであると、私は考える 
(オイ・ホン・ジン博士)

ナジルンの絵画の制作能力は卓越している。勢いのある筆遣いにより強固な表現を生み出し、細部を精巧に仕上げる熟練した技術は装飾性を高める。彼にはバティック制作の経験があるので、これは驚くことではない。彼が施す繊細なスクラッチは絵画の芸術性をいっそう高め、何にもまして、ナジルンのイマジネーションが作品を超現実的なレベルへと引き上げるのだ。個人的には、ナジルンは近代インドネシアアートの四大巨匠アファンディ、ヘンドラ・グナワン、S.スジョヨノそしてH.ウィダヤットの生まれ変わりであると、私は考える。

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